Loading…

HOLA 座頭市 コモエスタ

Posted by 高見鈴虫 on 16.2018 ニューヨーク徒然   0 comments
かねてからのドミニカンなお掃除おじさんが長期休暇ということで、
新しく来たお掃除おばさんにずっとスペイン語で話しかけてたら実はロシア人だった、
なんてことで大笑いしたのも束の間、

で、御馴染みのドミニカンなお掃除おじさんがようやく休暇から復帰。
で、なにやってたの?と聞けば、アメリカ国籍をとった、とのこと。

ええ、でもあんたはまるっきりのドミニカンで、英語なんて全然まったくこれっぽっちも喋れねえじゃねえか、と。
あ、それ、いいんだよ、と涼しい顔。
え?アメリカ国籍取得のテストを、スペイン語で受験した?そんなのあり?

そう、ここはアメリカ。つまりは移民の作った移民の国。
多民族であることが前提のお国柄、なのである。

というわけで、へえ、英語をひとことも喋らない奴が、アメリカ国籍をスペイン語で取得。
なんか変なの、ということなのだが、
実はもっと変なの、ってな話があって、
実はこのスペイン語しか喋らない黒人系ラティノのお掃除おじさんが、
大の時代劇ファン、それも、座頭市の熱狂的なファン、なのである。

で、このアメリカ国籍、それを取得と同時に、その公的な名前を、
つまり、姓も、名も、勝手に変更できる、そのチャンスなのである。

つまり?
つまり、なんでもあり、なんだよ。
ジョージ・ワシントンでも、ミック・ジャガーでも、ドナルド・トランプでも、
レディ・ガガでも、ビヨ・ンセ、でも、ヒラリー・クリントン、なんてのであっても、
あるいは、それを言ったら、我らが、スー・メタル、
麗しの中元すず香の御名を、この俺が名乗れる、なんてことも、あったりもするわけだ、と。

そう、アメリカ国籍取得と同時に、好き勝手に好きな名前に戒名ができる、
その新しい名前で、新しいアメリカ人としての人生を、心機一転再スタートできる、と。

で、このお掃除おじさん、
おめでとう、あんたも立派なアメリカノス、グリンゴの仲間入りかよ、
と笑っていれば、
実はさ、俺、名前を変えようとおもってよ、と。

で、その名前が、えええ、なんと、座頭市?

で、そう、聞きたかったのは、このザトウイチ、これは、姓なのか、名なのか、と。

いや、座頭は職業、市が名前、なんだがさ。
ってことは、俺はこれから、イチ、と呼ばれるわけだよな。
イチ、っていうと、イッチー=痒い、みたいで、面白いけどさ。
それを言ったら、ザトー、っていうと、
なんとなくギャングのニックネームみたいで格好良くもあるが。

イッチー・ザトーか、なかなか格好いいじゃねえか、と。

というわけで、どこからどうみても、
黒人のラティノのお掃除おじさんにしか見えないこの黒人のラティノのお掃除おじさんが、
その公的な本名として座頭市を名乗っては、
HOLA 座頭市、コモエスタ、
そんな時代が、つい目と鼻の先のグローバル社会、なのである。


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

月別アーカイブ

検索フォーム