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ダークサイド・オブ・ベビーメタル ~ ベビーメタルは終わった、とお嘆きの諸氏へのささやかなるご回答となりまんす

Posted by 高見鈴虫 on 12.2018 BABYMETAL☆ベビーメタル   0 comments

普段から犬の散歩を妻に押し付けては、
朝な夕なにモニターばかりに睨んでいるうちに、
いつしかリアルワールド:現実世界はすっかりと花の季節を過ぎ、
見渡すセントラルパークは一面に新緑の嵐。

ここのところ山のように押し寄せる屑仕事に忙殺されては、
それに加えてやれ小神様の追悼ギグだギブソンが倒産だ、
新曲の発表だ待ちに待ったツアーの幕開けだと思えばあれユイがいない。
そんな怒涛の錐揉み状態の中、ふと我に返って顔を上げれば、
あり?かみさんがいない。

そう、実は我が家の絶対姫君であるかみさん、
ひと仕事片付いたから、とかなんとか訳の判らない理由を上げては、
事情説明も引き継ぎも今後の予定も一切無きままに、
ちょっと暫く日本に行ってくるね、じゃブーくんをよろしくね、と。

まさか、そう、俺は冗談と思っていたのである。
あるいはそう、かみさんの話などろくに聞いていなかった、というのが真相なのだが、
ああ、判った判った、いま俺はそれどころじゃない。
なんてたって、ユイがいないんだぜ。
これはベビーメタル始まって以来の大ピンチ。
今夜のライブにベビーメタルの未来のすべてがかかってるんだ。
頼むから邪魔しないでくれ。

という訳で、またツアー中の恒例の朝まで海賊動画漁りの後、
睡眠不足で意識の無いままに一日をやり過ごし、
終わりのない残業の沼に落ちるその寸前で逃げ出しては、
へいへいのていで辿り着いた金曜日の夜。
ドアを開けた途端に、暗い部屋の中からいきなり飛び出して来た犬。

なんだ? あれ、女王様はどうしたんだ?と聞けば、
え?あ、ほんとだ、まじで、かみさんがいない・・

とそんな訳で、突如としていきなり放り込まれたこのあまりの虚脱状態。
今更ながらのそのぽっかりと広がった空間の、そのあまりの欠落感、半端ない訳で。
普段からの、犬と妻と俺、その唯一絶対の三位一体のバランスが、
ひとりが抜けただけで、いきなり見事などんでん返し。
そのあまりのアンバランスさの中に、
現実の感覚のすべてが麻痺を初めてしまう。

つまりはこれが、ダークサイド、という奴なのか・・

という訳で、鬼の居ぬ間のベビーメタル。
ニューシーズンも三日目。
初日カンサス・シティでの驚愕のデビューから一転、
二日目のオースティンにおける超絶の倍返し大逆転、
そして、三日目、ダラス公演においては、
それはもう、予定調和的なまでに、
まさに威風堂々といったまでの怒涛の圧巻ステージ。

もうすぅちゃん、リミッター外しすぎってか、
ほとんどパワー全開過ぎのアウト・オブ・コントロール、
走って走って走りすぎて、
思わず、おいおい、青神をぶっちぎっちゃってるぞい!

なんかそう、ダラス公演におけるすぅちゃん、
元気溌剌、というよりは、
ともすれば、まるで怒りをぶちまけるようなまでに、
とてつもないギア・アップがなされていたようで、
いやあ、正直、こんなに猛り狂ったすぅちゃんを始めてみた。







という訳で、そんな新生ベビーメタルの活躍に、
憤懣遣る方無き面々。

ふざけるな、ユイちゃんのいないベビーメタルに、
ベビーメタルの名前は名乗らせない!

まあ確かに、判る、判るよ、その気持ち、痛いほどに。
つまりは、ユイがいないステージ、
そのあまりの欠落、そのあまりのアンバランス。
ベビーメタルは三姫あっての唯一絶対のトライアングル。
三姫が揃わなくてはベビーメタルの真の姿には成りえない。
つまり、いまのこの新生ベビーメタル、
それは似て非なるもの。
ベビーメタルのまがい物、という奴なのか。

確かに、確かにその通り。
その気持ち、痛いほど判る。
その落胆、その募る切なさ、
そしてなによりも、胸を包む不安の悪雲。

もしかして、この先、ユイはもう復帰することがないのではないだろうか。
あるいは、もしかしてもしかして、ユイの身になにかあったのではなかろうか。
そんなペシミスティックな悪い予感ばかりが暴走しては、
ついには、コバメタル、なんとか言え!
会社としてのアカウンタビリティ、常識としての説明責任、
あるいは、人間としての思いやりの心、
そんなものを、チーム・ベビーメタルは一切持ち合わせていないのか!?

ああ確かにそうだよな。
ユイメタルに逢いたい一心で、
新幹線で広島まで、どころか、
海を越え山を越え太平洋さえ跨ぎ越えて、
しかもよりによってカンサス・シティなんていう、
ここは地の果て空の果てのミドル・オブ・ノーウェア、
そんなこの世の果てのようなところまで追いかけて行ったのに・・

この想いを、この時間を、この費用を、いったいどうしてくれるのだ!?

そしていま、改めて見渡す限りの、
この空と地平線以外、まったくなにもなにひとつとしてなにもない世界。
これが、アメリカ?これが、アメリカの本当の姿、という奴なの?
そのあまりにも投げやりな風景、その見渡す限りのに茫漠とした光景を前に、
改めてつぶやくこの言葉、

オレは、いったい、こんなところで、なにをしているのだ?・・

そんな唖然呆然、そのあまりの失意の底の虚脱感、
その眼の前で、夜な夜なに渡ってこれでもかと展開される
ユイを欠いた新生ベビーメタルの怒涛のステージ。

凄い、凄まじいまでの新生ベビーメタル。

確かに可愛さはない。確かに可憐さはない。確かに溌剌さはない。
だがしかし、なんだなんだこの、強靭さ。
目を見張って絶句してしまうまでの圧倒的な迫力、
そして思わず、ごくり、と生唾を飲み込む程のこの美しさ。

くそったれ、嘘だ、こんなベビーメタルは、すべて嘘だ。
ユイのいないベビーメタルが凄い訳なんかない。
ユイあってこそのベビーメタルだ。
ユイがいないベビーメタルが凄いだって?
そんなことありえない、あってはいけない!

そう、そんな気持ち、凄く判る、確かに凄く判るんだけどさ、

それがそれが、不思議なことにの、このベビーメタル、
そう、それがさ、どうにかしちゃうんだよ、この人達、なにがあってもさ。

そう、ベビーメタルのこの奇跡、
例えなにがあっても、どんな非常事態であったとしても、
どういう訳だか、最後の最後には、どうにかなっちゃう、
そのあまりのあまりのあんまりの不思議。

なんだよ長文のおさん、
あんただって、ユイが嫌いな訳はないんだろ?
だったらなんだよ、ひとりでそんなに余裕かませやがってさ。
あんたこそは先頭に立って、このチーム・ベビーメタルの横暴を、
この不届きを、この不条理を、この不愉快を、
思い切り叩きのめしてくれるかと思っていたのに。
くそったれ、見損なったぜ!

ははは、そう、まったくその通り、なんだけどさ。
実は、俺、前にもまったく同じ経験があったりするんだよね。

つまりはあの、2017年のレッチリとの米国東部ツアー。
前回の駄文にちょっと触れたんだけどさ、
そう例のあれ、あの思い切りの黒歴史
→えっ!?嘘だろまっさかぁの神バンド~とりあえずとりあえず走り続けるベビーメタル
あの2017年のイーストコースのツアー、
なんとあろうことか、初日の幕が開けた途端、
あれ、ベビーメタル、全然違うバンドになっちっち。

つまりは、神バンドのドラムが、
あの青神様の筈が、
いきなり謎の酔拳ドラマー様がすり替わり見参。
これまで正確無比な超絶完璧ビートに支えられていた筈のベビーメタルが、
いきなり、ゆらゆら揺れる、その怒涛の大波小波の船酔い状態。

例によって事前に何のアナウンスもないままに、
いきなりご降臨された謎の酔拳ドラマー殿。
なんだよこれ、いったい、悪い冗談にも程が有るぜ・・

まあそう、いまにして思えば、
止むに止まれぬ様々なご事情がお有りになったとは思うのだが・・

つまりはそう、コバさんからいきなり連絡を貰っては、

いやぁどもども、ご無沙汰、元気してる?
そうそう、あの稲妻以来だったよね。で、最近どうなの?
そうそう、実はさあ、そのベビーメタル、なんだけど、
今回の米国ツアー、なんかいつもの太鼓が予定がつかなくてさ、
正直ちょっと困りきっちゃってて。
で、頼む、お願い、この通りだから、助けて、手伝って。
大丈夫大丈夫、明日パスポートだけ持って空港に来てくれる?
あとはこっちでなんとかするからさ。
大丈夫大丈夫、全然OK。
あとはほら、いつもの奴で、始まっちまえばどうにかなるからさ。
じゃよろしこ。あっちでビールじゃんじゃん奢るからさ、楽しみにしててね。
はいはい、じゃね。

とかなんとか言ってる内に、
頼みに頼み込まれては引きずり込まれたベビーメタルの虎の穴。
はいどうぞこちらです、といきなり転がり出たのがアリーナのステージ、と。

まあそう、そういう事情があったに違いない、とは思っているのだが、
だがそう、そういう事情だからこそ、あの時の米国東海岸ツアー。
そんな裏事情をまったく知らされることのなかった間の抜けた傍観者たちにとっては、
その驚愕のいきなりぶっつけ本番のアリーナ公演、
そんな止むに終えない事情はともあれ、
ただ、確かに、これまでの神バンドのクオリティ、
普段から耳に馴染んだ馴染みすぎたあの絶対神・青山様に比べては、
ちょっとあまりにも違いがありすぎた、
あまりのあまりに、ロック過ぎた、グルーヴ過ぎた、アドリブ過ぎた、
その衝撃が大きすぎた。

このドラム、いったいぜんたい、なにもの、なのだ・・・

当時筋金入りのバンドヲタであった俺的には、
ベビーメタルの魅力の半分以上が神バンド、
その驚異的なまでの演奏技術にあった訳で、
ベビーメタルが海外にこれだけ評価されたのも、
まずはこの神バンドの力があってこそ。
つまりは、音楽的な実力に裏打ちされていないベビーメタルなんて、
ただのちーちーパッパのお遊戯に過ぎず。
あのなあ、トリプルマック赤坂じゃねえんだぞ、
そんなベビーメタルは絶対にありえない!
ベビーメタルの真髄とは、まずはその音楽的な実力なのだ!

と、思わず思い切りのブチ切れては、
おい、コバ、ふざけるな、ロックを、ドラムを、舐めるんじゃねえぞ!
青神様なくして、なにがベビーメタルだ!
こんな糞バンド、見たくもねえ、さっさとどっかに消えちまえ!

当時綴られたその抱腹絶倒の糞駄文の山、その羅列。
いまから読み返すことさえおぞましい、そのとんでもない暴言の数々、
ではあったのだが・・・

そしていま、それとまったく同じことが、
このユイの欠場という事態を前に、巻き起こってる訳で。

そして、この非常事態にパニクった方々の罵声暴言の数々。

ついには、思わず早まっては、

長文の、短い間だったがいろいろありがとな。
我らの夢はこれにて終了。
ベビーメタルは終わった。
いい夢を観させてもらったぜ。
ではさらばじゃ。達者でな。

ははっは、旦那、そう、その気持ち、
判る判る、だってそう、俺があの2017年のレッチリとのツアー、
あのときに感じたことと、まったくもって、そのまんま、なんだもの。

でさ、いまになって思う、
あの時、俺が思っていたこと、その心境の底の底。

青神様のいないベビーメタルを前にして、
思わず気の触れた狂犬のように吠え立てた、
あの暴言の嵐、その元になっていたものとは、
それって、つまりは、ビビリ、であったんだよね。

つまりは、こんなド下手な神バンドでは、
せっかく掴んだ米国のファンが一挙に逃げてしまうのではないのか?

そしてなにより、コバさんはまさか、
今後、青神様の代わりに、この酔拳ドラマーを使う計画なのか?
つまりは、ベビーメタルにとって、
神バンドの演奏技術、そのクオリティなど、
取るに足りないもの、とお考えなわけかいね、と。

その困惑が、その不安が、その怒りが、
なによりその情報量の不足から来る悪い想像、
その疑心暗鬼の妄想の暴走が、
ついついついと筆を滑らせては思わず、

ああ、もうだめだ、ベビーメタルは、終わった・・

そんなことを、呟いてしまっては後の祭り・・・

でまあ、ご存知の通り、
その後、いったいなにが起こったのか・・

当初は、帰ってきた酔っぱらいのように、
あっちにゆらゆら揺れて揺れてだった神バンドのビートが、
一回一回と、ギグ重ねるたびにみるみると骨が入りはじめ、
普段からのあのマシーンとも言えるほどの几帳面なビートとは違い、
この怒涛の酔拳ビート。
右に左に揺れるビートがいつしか大波となってうねりまくり襲いかかり、
ついには、なんか今回の神バンド、いつもよりも凄いみたい!
そんなコメントまで寄せられるほどの奇跡の大逆転を遂げていった訳で。
→ 大化けベビーメタルでシャーロット一撃陥落! ~ こここれぞ、狐憑きだ!BABYMETAL

そしてなにより、あのツアーにおける最大の収穫、
普段からの頼みの綱を失ったベビーメタル、
その三姫の見せた奇跡のような発奮劇。

ねえねえ、あの怖いおじさんたち、なんか調子が悪いみたいだからさ、
だったら私達で、思い切り、好きなようにやっちゃいましょうよ!
よーし、あたし、思い切っきりの煽りを入れるから、
ユイちゃん、最愛ちゃん、援護射撃、頼んだね!

という訳で、神バンドの不調を前にいきなり弾け飛んだ三姫たち。
アリーナのステージを端から端まで、所狭しと飛び回り跳ね回り、
ついには会場中が星屑の嵐に包まれては、涙なみだの大合唱。
その光景、まさにベビーメタル史上に燦然と輝く、
超絶的金字塔、とも成り得た奇跡の公演たり得たではなかったのか。
→ OMG!! BABYMETAL千秋楽・マイアミAAアリーナ ~ 世界の頂点に3-2-1

そう、俺はあの経験から、とてつもなく大きな教訓を学んだ。

ベビーメタルは、なにがあっても、どうにかなってしまう、のである。

ベビーメタルのパワーの秘密とはなにか?
神バンドの神憑り的な演奏技術だ、マニュピレーターとの融合だ、
なによりすぅメタルの歌唱力だ、いやいやつまりは八百万の神々の御力、
あるいはそう、三姫のあのラブラブ可憐な美貌の、
その奇跡のトライアングルのピラミッド・パワーだ。

ベビーメタル、その存在のあまりの物凄さ、
絶対にライブを滑らない伝説、
最新こそが最高である、つまりは、この超絶完璧までのステージを、
明日はまたまた軽く凌駕してしまう、
つまりは常時進化を続けるその奇跡の姿。

そんなベビーメタルに纏わる、ありえないありえない絶対にありえない、
そのすべての謎を解き明かすために、
やれ、ドラムだベースだ、ダンスの切れ味だ、声質だ声量だと、
無駄な薀蓄をこねくり回せばこねくり回すほどに、
現実のベビーメタル、そんな戯言のすべてを嘲笑うかのように、
なんからなにまでの、いっせのせでひっくり返しては塗り替えてしまう。

そう、ベビーメタルはさ、俺たちの想像力など完全に凌駕した、
まさに、奇跡のバンド、まさに、神々に愛されたバンドなんだよ。

つまりはそう、なにがあっても、心配はご無用。

もしもそこになんらかの欠損が生じたとしても、
その、欠落をなにかが必ず補充しては、
そこで拡張されたパワーが能力が可能性が、
次のライブでは丸々の倍返し、となっていく訳でさ。

そう、ベビーメタルはそういうバンド、
なにがあろうともなかろうとも、
いずれは必ず、どうにかなってしまう、
そして、落ち着くところに落ち着く。
つまりは判で押したような大絶賛。
あるいは、そう、これこそが、適者生存。
森羅万象の有象無象の中で、無限にある筈の可能性の中から、
不思議なことに、いつもいつも、その最も強靭な選択肢を勝ち得ては、
永遠に、そして怒涛のように進化を続けていくこの未知なる巨大生物。

今回のこの、ユイ欠場、という非常事態においても、
すぅが、最愛が、いきなりの超絶パワーアップを食らわせてくれている訳で、
この経験が、次なるベビーメタルにとってまたまたとてつもない武器となりうる、
そう、ベビーメタルとは、まさにそういうバンド、なんだからさ。

という訳で、

ベビーメタルは終わった?みなさんさようなら?

おいおい、おっさん、笑わせてくれる、と言うか、
まあそう、俺の黒歴史をまったくもってそのまま周到するような、
その、軽はずみな早とちり。
そうそう、俺もそうだった、と思わずの大爆笑だぜ、と。

旦那、大丈夫、信じてくれよ。大丈夫だって。
そう、ユイは必ず帰ってくる。
だって、ベビーメタルなんだぜ、
この人達は、神々に愛されたバンドなんだぜ。

で、ほら、見ろよ、このオースティン、そしてダラスでのステージ。

ユイのいない、その欠落を埋めて余りある、
この超絶的なまでのパワーアップ。

今回炸裂したこのパワーが、
次なるベビーメタルにおいて、つまりは、ユイが復帰したその暁には、
ますますの進化の中で、元気をフルチャージ、
そんな未曽有の大怪獣に成長を遂げては、
世界中を破壊しつくす、そんなことになっている筈なのだから。

という訳で、心配ご無用のベビーメタル。

その進化は誰にもとめることができない。
つまりは、ベビーメタルは、絶対の絶対に不滅だってことだよ。



という訳で、かみさんのいない休日。
朝まで漁り続けた海賊動画を繰り返し見続けながら、
ふと足元を見れば、これ以上無く不機嫌な顔をした犬の姿。

あのさあ、どうでも良いけど、散歩はまだなのか?

いや、あの、ちょっと待って、これ、この映像、別アングルでまた凄いんだよ、

とそんな俺に、おい、いい加減しろ、といきなりの体当たり。
マウスをキーボードを叩く腕に齧りついては、
机の上に身を乗り出していまにもモニターを倒しそうな剣幕である。

という訳で、ちぇ、仕方がない、と、無理やり連れ出されたセントラルパーク。
いつしか花の乱舞の季節を過ぎ、
昨夜からの雨に濡れた新緑が、
まさに燃えるように染み込むように、
目に鮮やかに飛び込んでくる。

5月、ニューヨークが一番輝いて見える季節。
こんなベストシーズンを尻目に、
うちのかみさんはいったいどこに行ってしまったと言うのか。

そんな俺の表情をそのまま映し出したように、
見るからに不機嫌な顔をした犬。
ポツポツと降り始めた雨を忌々しげに見上げながら、

ったくもう、せっかくの休みだというのに雨ばかりで、
おまけに犬の世話まで押し付けられて。
とそんな犬は犬で、せっかくの春の日だっていうのに、
なにが悲しくてこんな不機嫌なおさんと・・

と、そんな不機嫌なおさん同士が見つめ合いながら、
思い浮かべるのはミッシング・ピース。

あいつ、いったいどこでなにをやっていやがるのか。

確かに、この暮らしになんの不満がある訳でもない。
青葉は茂り、風は優しく、そしてなにより、
遠いテキサスの地から届いたニュース。

心配ない、ベビーメタルは大丈夫だ。
ってよりも、今更ながらとてつもなく進化を続けている。
その姿、怒涛のワンダー・ウーマン軍団!

そう、そうなんだよね、確かにそうなんだけど、
どうしたんだろう、この、妙な不安感、
この妙な焦燥感、この妙な苛立ち。

つまりは、安定が悪いのだ、と気づく。

そう、つまりはそのミッシング・ピース、
その空白の大きさが、あまりにも大きいがために、
その反作用、つまりは、弾性力がフル回転しては、
思わぬヒートアップを繰り返しているというの状況。

つまりはそう、この暴走的なまでのパワーの源とは、
ユイの欠落、その空虚を、つまりはそう、ぶっちゃけ、
その喪失感を、その淋しさを、バネにしては、
あの超絶なパワーを生み出しているのではないのか。

そうか、つまりはそういうことか。

つまりは、ユイのいない新生ベビーメタル、
そのパワーの源とはつまりはユイがいないことに対する反作用、
つまりはこの怒涛のステージそのものが、
ユイの欠落を埋めるための弾性力の賜物なのだ。

ってことはつまり、
そう、このユイを欠いた新生ベビーメタル、
その存在事態が、つまりは、ユイ、
ユイの存在に支えられている、というところなんだよ、つまるところ。

たしかにな、あのすぅちゃんの姿、あの最愛の姿、
元気溌剌の天使たちというよりは、
まさに魔が降りたような、鬼そのもの。

ただ、そんな状態がそれほど長く続くとも思えない、
その危うささえも身をもって感じてしまう訳で。

そう、あのすぅのちょっと、怒ったようなオーバーヒート、
あれこそは、つまりはユイがいないことに対する、反作用の姿だったんだよな。

そう、誰もが判っているのだ。

ベビーメタルの絶対値とは、三位一体の黄金のトライアングル、
つまりは、すぅユイ最愛、この三人の姿、
それこそが、ベビーメタルの奇跡の黄金比。

そう、そんなこと、誰だって判ってる。
チーム・ベビーメタルのそのひとりひとり、
そんなベビーメタルを応援するそのメイトのすべてが、
そして、すぅも、最愛も、そしてなにより、ユイ自身が、
それを骨身にしみて、判っている筈だ。

つまりは、ユイは帰ってくる。必ず、必ず帰ってくる。

という訳で、俺は改めて、あの2017年の東海岸ツアー、
青神様という唯一絶対のリズムの要を失ったベビーメタルが、
その不幸中の幸いとして手中にしたコール・アンド・レスポンス。
そして今回、ユイの不在の中で獲得した、
このマッスル・シスターズと、そしていつもより尚更にランクアップした、
すぅと、そして最愛の絶対パワー。

ベビーメタルは、すべての欠落を、反発を、時として失敗を、
反動力として逆利用しては怒涛のパワーアップを続けてきたバンドなのだ。

つまりは、この絶体絶命の窮地こそが、
ベビーメタルが尚一層の飛躍をするチャンスでもあるのだから。

2018年ベビーメタル新シーズン、
ひと呼んでダークサイド・オブ・ベビーメタル。
この新生ベビーメタルを支持するひとも、あるいは、
今もなお、ユイ無くしてはベビーメタルに非ず、とばかりに、
その原理的なまでの三姫至上主義を主張するYMYのユイ親衛隊の諸氏。

大丈夫、俺達が望む限り、ユイは必ず帰ってくる。
だってそう、三姫の黄金のトライアングルこそが、
ベビーメタルの絶対値、なのだから。

ダークサイド・オブ・ベビーメタル、その謎解きとは、
つまりは、ユイの復帰したその時、
これまで怒りのワンダー・ウーマン軍団と化していた
すぅが、最愛が、そして、ザ・マッスル・シスターズが、
ユイの姿を囲んでは思わずこぼれ落ちる笑顔、笑顔、笑顔・・
抑えても抑えても、とめどなく流れ続ける嬉し涙の中で、
そんなベビーメタルを、思い切りの大歓声で迎える号泣メイトの面々。

その光景こそが、このダークサイドの明ける、その瞬間なのだろう。

大丈夫、止まない雨はないように、明けない夜はない。

いつの日か、いつの日か、いつの日か、必ず、
ユイが帰ってくる、その感動の瞬間、その時まで、
すぅ、最愛、そして、チーム・ベビーメタルの皆様、
この絶体絶命の窮地こそが、ベビーメタルの新たな跳躍の時、
これをチャンスと認識しては、大いなる逆噴射、
心の底から、ご期待申し上げております。

なんてことを言いながらこの俺も、
鬼の居ぬ間のこの空白の間、思う存分の逆噴射、
普段から溜め込んでいた糞ネタの数々を、
一挙にぶち撒けてやろうか、とも思っている。

ではでは


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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