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パパパパ・ママママのベイビーラッシュ ~ 未来世界はいまやただの現実 

Posted by 高見鈴虫 on 03.2019 日々之戯言(ヒビノタワゴト)   0 comments

はてさて、海の向こうのガラパゴスどころか、
ますますほとんどイースーター島の轍を爆走する我が母国。

やれ、ナオミの国籍がオリンピックの出場権が、
などとおめでたいことを言っている中、
果たしてここニューヨーク、
つまりは世界の全人種の鬩ぎ合うサラダボール、
そんなミックスカルチャーのクロスオーバー世界の中にあって、
今更ながら仲間うちでちょっとした話題となっていた、
さり気ない小噺しをひとつ。

先日かみさんが嘗ての同僚であったゲイ・カップルの友人から、
またちょっとしたパーティにお呼ばれをした。

その前のご招待は、確か結婚披露パーティ、
窓一面にマンハッタンの夜景の広がる、
ブルックリンの超高級フラットでの一大パーティ。
セレブリティたちが舞い踊るそのあまりにも盛大な御様子は、
それとなくも話には聞いては居たのではあったが、
そのカップルからまたまたの新たなる御招待状。
で、今回は?と言えば、ベイビーシャワー、とある。

ベイビーシャワー?ゲイのカップルが?

ここニューヨーク、同性愛同士の結婚が認められてから久しく、
それまでは人目を憚って、ということは無いにしろ、
一応、公的には、少なくとも職場においては、
それとなくもその素性を匂わせながらも、
それを改めて公言するにはちょっとしたご留意が要った、
そんな微妙なエチケットなんてこともなかった訳でもないのだが、
晴れてこの同性愛結婚の合法化のもと、
大手を振っては正式なカップルとして世に認めらるようになった訳で、
だとすればこちらとしても、変なところで妙な気を使わなくても良くなった、
という意味では、まあ良かったんじゃない?本人同士が幸せならば、
なんてところで、口先だけでも、おめでとう、お幸せにね、
なんてことを繰り返していたのではあったのだが。

で、改めてそんな今風なゲイ・カップルの御結婚。
ニューヨークという、これだけどこを見てもゲイばかりのようなこの街においては、
今時となっては寧ろゲイでない方が珍しがられる、
なんて妙なことにもなりそうな程に、
どこもかしこもゲイばかり、と言ってしまっても過言ではない訳なのだが、
そんなゲイばかりのこの街においてのゲイカップル。
別にいまさらゲイであることがバレたからといって妙な風当たりがある訳でもあるまいし、
であればわざわざ結婚などする必要がある訳?
などとまた脳天気なことを感じたりもしていた訳なのだが、
そんなゲイのカップルから、いきなりのベイビーシャワーのご招待、なのである。

ジョンとポールのベイビーシャワー?
そう、だって、せっかく結婚したんだから、
結婚といえば家族、家族と言えばベイビーでしょ?と。
でも、ゲイな訳でしょ?
だったらどうやって?

今更ながらの同性婚花盛りのご時世。
積年の夢が叶って晴れて公的に結婚を果たしたゲイ・カップル。
その次なる指標となるこのゲイ家族のベイビー事情。
で、よくよく聞いてみれば、というよりは、
そのベイビーシャワーのパーティにお呼ばれした方々、
で?どうする訳?男同士で、
その秘策の謎解きのなんてところが、
実はその興味の本意、
つまりはこのベイビーシャワー・パーティの趣旨、
でもあったらしいのだが。

で?なんだって?
それがさあ、と、ちょっと複雑な顔をしたかみさん。
それがね、なんか、凄いのよ、と。
なんか、ちょっと、驚いた、と言うか、ちょっと呆れた。
呆れた?
そう、なんというかもうなにからなにまでが別世界。
お話になりましぇーんって、感じで・・











という訳で、いまやニューヨーク中の巷に溢れかえる、
この、法的にも認められた同性愛カップルのご家族事情。
せっかく結婚したんだから家族を持ちたい。
家族と言えばやっぱりベイビーちゃんでしょ、という訳で、
果たしてこの同性愛カップルが、いかにして子供を授かるのか。

改めて言うまでもなく、世のゲイカップル、
その殆どが、実はとてつもないスーパーリッチ同士。
いや、そう、リッチでないゲイカップルも確かにいるのだろうが、
少なくとも俺達の廻りにいるゲイのカップル達はそれこそ判で押したように、
その双方が、それなりにそれなりの超絶なキャリアの持ち主。
ただでさえその一人だけでも人も羨む超高給取り、
そんなふたりが結婚しては倍掛けとなった時にはどうなるか、と。

という訳でこのジョンとポールのゲイカップル。
ビッグファームにお務めの公認会計士であるおネエのポールさんと、
そして、ハーバード・ロウ・スクールご出身の弁護士さんであるところのジョンさん。
そのお二人がお二人ともに水も滴る超美男子、
という訳で、
つまりは典型的なスーパーリッチな超人類、
そんなセレブリティなお二方。

つまりは、お金、持ってるのよね。
で?そのスーパーリッチどもが、金にモノを言わせて今度はなにをしでかそうと。
で、そう、だから、ベイビー・シャワー、なのよ、と。

ジョンとポール、この絵に書いたようなスーパーリッチなゲイカップルが契約したグローバル規模の卵子バンク。
世界中の津々浦々の、超絶的なまでに優良を極めた超人類的女性たちのリストなるものから、
人種は勿論のこと、家柄学歴賞歴IQ、身体能力から病歴から御先祖代々の系譜、
そのDNA情報のすべてを前に、
厳選に厳選を重ねた末に選び出した、
まさに、ヒト科ヒト属の究極系のようなご令嬢、
その方の御卵子を、
買った?
そう、その卵子を買ってきて、
いくら?
知らないわよ、さすがにそこまでは聞けなかった、
けど、
けど?
けど、多分、とてつもない金額。
でもさ、でも、卵子だろ?頼みもしなくても毎月一個づつ出てくる訳で、
まあとりあえずは、その卵子を大枚叩いて買った、と。
つまりはお見合いだ。
そう、卵子とのお見合いってよりは遺伝子売買。
で、その御本人の精子と掛け合わせて、
で?
その受精させた卵をこんどは代理母のお腹の中に埋め込んでは産んでもらって。
その代理母って言うのも、
厳選に厳選を重ねて選びあげた、まさに超セレブの究極系の代理母。
でね、そのベイビーが、勿論、男の子よ、って言うのよ。
やっぱりゲイカップルだからな。
今回はジョン、つまりは弁護士の方の人の精子で男の子。
で次は、ポールの精子を使っては、
同じ人からの卵子と同じ代理母から、
今度は女の子?
そう、次は女の子にするんだって。
ねえ、それってさ、つまりベイビーの性別を指定できるって事からして、事前に精子も選り分けている訳でさ。
つまりは体外受精ってそういうことだろ?
でもさ、お母さんから始まって、
すべてがすべて計画済み。
それってもう、立派なデザナー・ベイビーよね、と。

つい先日、虫国で生まれたAIDSに耐性のある遺伝子操作ベイビー、
その倫理的道義的な云々が取り立たされたのも記憶に新しいのだが、
つまりはもう、そんな精子だ卵子だの選り分けから選別から、
ぶっちゃけ、スーパー遺伝子人類ってのがポコポコ産まれてきている、と。

という訳で、いやはや21世紀だよな、
なんて話を、このあいだちょっと飯を食った友人に漏らしたところ、
え?そんなの普通じゃない、と、逆に驚かれた。

普通?それ普通?
まあ、そう、そういう話、ここ数年本当によく聞くよね、と。
つまりはゲイカップル?
ゲイだけに限らず、というか、同性愛カップルが、物凄いお金をかけては究極ベイビー、
そんなデザイナー・ベイビー、すっごく普通にやってるよ、と。

で、そう言えばさ、と。
そう言えば、ダウンタウンにそんな子供ばかりが集まった学校があってね。
つまりは、そんなデザイナー・ベイビーの専門校?
まあデザイナーかどうかは知らないけど、つまりは同性愛婚のカップルの子どもたち。
パパがふたり、とか、ママがふたり、とかそういう子たち。
そんな子って、やっぱり、普通の学校だとちょっと微妙な育ち方をしちゃうこともあるそうでさ。
イジメとか?
まあさすがにイジメなんていう貧乏くさい低レベルな事はないんだろうけど、
ただね、普通だったらパパママの筈のご両親が、
パパパパ、とか、ママママ、とかだと、いろいろ話が食い違っちゃったり、とかね、
そう、育ち盛りっていろいろと難しいことも多いからさ。

友達のレズビアン・カップルにも娘が居てさ。
で、最初は普通の学校、
って言っても勿論セレブリティばかりの超高級私立校なんだけど、
そこに通わせていた娘からいきなり、
ねえ、わたしは養子なの?と聞かれた、と。
いいえ、あなたは養子じゃないわよ。
ちゃんと私のお腹から出てきた子よ、と。
なんでそんなことを聞くの?と問いただしてみれば、
お友達になった黒人の男の子、
そのご両親が実は白人のご夫妻で、
で、そのご夫妻は子供が早い内から、
あなたは養子なの、とちゃんと説明をしていた、と。
だってほら、色ですぐ判っちゃうしさ。当然のことなんだけどね。
で、その白人の両親を持つ黒人の子供から、
君も養子なの?と聞かれた、と。
だって君の両親ってママママだろ?ママママで子供ができる訳ないじゃんと。
でまあそんなことから、実はあなたのパパの精子を買ってきて、
なんて話をしたんだけど、その説明がどこまで判ったやら、
なんてことを思っていたその矢先、
学校の先生から連絡があって、子供の書いた作文を見せられたんだけどさ。
その作文が、大きくなったらなにをしたいですか?ってな題材で、
わたしは大きくなったらお父さんを探しに行く、って書いてあったんだって。
まあ子供の書いた作文だから、別に大した意味がある訳でもないんだろうけど、
逆にその無邪気な言葉にレズビアンの両親が凄いショックを受けちゃって。
どうして?なんであなたはパパを探したいの?と問いただせば、
え?なんで?わたしパパに会ってみたい、って。
どう?なんかキツイでしょ?それ。

でね、実はそういう同性愛家族、
パパパパ・ママママなご両親を持つ子どもたちばかりが集まった学校、
ってのがあるらしくてさ。
で私の友達も、さっそくその学校に問い合わせてみたら、
なんとその学校、もういまから何年先まで予約が一杯の大盛況なんだって。
でさ、そのわたしの友達ってのがまたふたりともに物凄いやり手の人たちで、
だったら、と言う訳でその学校にとてつもない金額の寄付金を積んで、
なんてことをしては、しっかりちゃっかり、と。

で、いまはめでたくその学校に通ってるんだけどさ。
その学校での話がね、面白いのよ、まさに、近未来って感じで。

という訳で、そのパパパパ・ママママのご両親を持つ子どもたちの学校。

ねえ、うちはパパパパなのに、おまえんちはなんでママママなんだよ。
ええ、そんなの普通だよ。なんであんたんちはパパパパなのさ。
なんて話から、妙に仲良くなったこの子どもたち。
なんだかんだで互いの家を行き来しているうちに、
どうせだったら、このパパパパとママママが一緒になってはルームシェア、
なんてことを初めてしまっては、パパパパとママママの息子と娘、
その六人世帯なんてのが始まることになって。
そこがいつしか子どもたちのたまり場化。
やれ誕生日だクリスマスだ独立記念日だ、と、
その度に盛大なパーティを繰り広げては、
DJだ生バンドだ仮面舞踏会だ、と大盛況、とかね。
ほら、ゲイのカップルってやたらと派手好きじゃない?
逆にレズビアンのカップルって、ついつい内に籠りがち、なんてところもあるしさ。
で、実はそのゲイのカップルが凄く重宝してて、
コンピューターのことから電気の配線から大工仕事から料理まで、
なにからなにまでやってくれるんだって。
男って便利よねえ、とか今更ながらさ関心してたら、
そしたらまた困ったことが起こってさ。
娘がね、もう、パパパパにべったりなんだって。
でね、その息子が、夜になるとママママのベッドに入り込んできたり、とか。
でね、その息子が可愛くて可愛くて、とかね。
でね、やっぱり思ったんだって。
やっぱり子供には、パパとママが必要なんだな、って。
まあ当たり前と言えば当たり前の話なんだけろうけどさ。
今更ながら、ちょっと複雑なんだよね、なんて話を良く聞いてるわよ、と。

という訳で、このグローバリゼーションの時代。
世界中で人種を国籍を二つも三つも跨いだ子どもたちが、
わんさかわんさと産まれているこの時代に、
さあ、オリンピックの出場は、そのどちらの国籍で、
なんてことが取り立たされて、なんていう内に、
世間は既にクロス・ジェンダー時代、
パパパパに、そしてママママに育てられたデザイナー・ベイビーたちが、
国籍どころか人種どころか、性別さえもぶっ飛ばしては、
混ざりに混ざり合って飛び越えに飛び越えまくり。
それが良いの悪いの、などと長閑なことを言っているうちから、
現実はすでにそんな善悪彼岸論など遥かに凌駕しては、
新しいマーケットが有象無象に浮き沈みを繰り返しては、
勝手に爆走を続けているのである。

21世紀その万華鏡のような地球規模のクロスオーバーの中で、
個々がそのアイデンティティを拠り所をどこに見つけるか、
それさえもが自由選択のこの時代、
ナオミの国籍がオリンピックで振る旗の柄が、
なんてところで右往左往している東洋のガラパゴス、
つまりはイースター島の住人たち、
そのあまりにも牧歌的な狭視的狂騒に、
ちょっと不思議な異次元的タイムスリップ、
そのパラレルワールド的なまでの時代錯誤なんてものを見るような、
そんな気もしていたりもする今日このごろ。

この狂気さえ秘めた時代の暴走の中で、
人類、完全にぶっちぎられているな、と薄笑いをひとつ。

タイムマシーンにお願い、
そんなお好みの時代は、
既にあなたの隣りにある現実、
つまりは現代というパラレルワールドの中に
すっかりしっかりちゃっかりと存在しているのかもしれない。







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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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