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2019新生ベビーメタル:ブリクストン・O2アカデミー凱旋公演 ~ 「仮面の真相」他 ベビーメタルの今後を占う

Posted by 高見鈴虫 on 03.2019 BABYMETAL☆ベビーメタル   0 comments
4th of JULY つまりはアメリカ独立記念日の祝日を前にして、
突如の酷暑の中に叩き込まれたニューヨーク・シティ。
よりによってこんな日に現場に呼び出しを食らっては、
この灼熱地獄の中を一日中が出ずっぱり。
いやあ、暑い一日であった、とは思いながらも、
正直な話、今日一日中、
ベビーメタル2019ブリクストン凱旋公演、
そのチケットが、SOLD OUT したのかどうなのか、
なんてことばかりに気を取られては、
なにをしていたのか、確たる記憶がない。

ロンドンとの時差が5時間遅れのここニューヨーク、
つまりは本日の開演時間午後7時が、
こちらで言うところの午後2時、
つまりはお仕事の真っ最中。
さすがにファンカムサイトを探しまくる、
というわけにも行かず、
ただ手元のIPHONEでちょくちょくとチェックする
現地実況組からの緊急報告。
開場直前に残席が40。
これなら実質的な売り切れということにしておきましょう、
なんていうメッセージに絆されては、
そっか、大丈夫だったんだな、ベビーメタル、
と、ちょっと安心した気分。

そうなんだよ、実はちょっと心配していたんだよ、
例のあの、反捕ゲイ団体・・
なにを間違えたかいきなりあのシーメール、じゃなかった、
そう、シー・シェパードなんていう動物愛護原理主義連中が、
ハコの前でピケを張っては捨て身の神風突撃、
なんてされた日にはたまったものではない。

改めてくじらとベビーメタルになんの関係があるのか。
あるいはアヴェなんちゃらやらアッソーなんちゃらと、
パッパッパパ、パッパパパヤ~、そこにどんな因果関係があるのか・・
(言い得て妙なり、と言う気もするのだが)
ちょっと考えればわかりそうなものではないか、と。

まあ良い、モンティ・パイソンからの伝統、
つまりは、ブリティッシュ・シンドローム:イギリス病の発症の地であるところのこの英国、
そしてこの失われた20年の間に、いまやすっかりしっかりと、
このイギリス病の重症患者に成り果てた我が日本国。
同じ英国病の末期患者同士ってところで、
せいぜい仲良くやりましょうぜ、と。










「仮面の真相」

という訳で、実質的には満員御礼のソールドアウト・ショーとなった、
ベビーメタル2019ブリクストン凱旋公演、

いまだに2014年BABYMETAL LIVE IN LONDON
あの、前田神御降臨の超絶壮絶ライブを愛聴している俺としては、
一種ベビーメタルの聖地とも言えるこのブリクストンO2アカデミー、

さあ、新生ベビーメタルはこの5年振りの凱旋公演で、
どんな姿を見せつけてくれるのやら。

ただ、とは思っていた。
先日のあのグラストンベリー・フェスでの超絶ライブ。
早くも定番メンバーの風格を漂わせた里保メタルを擁しては、
まさに鉄壁のセットリスト。

メギツネからエレガからシャンティ・シャンティ、
そして、必殺ディストーションからパパヤから、
後は、ギミチョコ、KARATE、
そして、座椀からRORのお馴染みのラストスパート。
この不滅の名曲群を軸にする限り、
その間のバリエーションはまさに無限大。

そう言えば、2014年のブリクストンは、全14曲であったのだが、
もしかして、今回のブリクストンもあの横アリと同じ構成?
ってことは、シンコペの海外初デビューとなるのか、と。

度々ながら今更ながら、
拙者にとってこのシンコペーション、
ベビーメタルのレパートリーの中でのディストーションと並ぶフェイバリット、
なぜこれまで、海外公演において演奏されることが無かったのか、
と常々から不思議に思ってはいたのだが、
その幻の名曲が英国そしてここ米国でもついに日の目を見る事になるのか、と。

という訳で、
この新生ベビーメタルのブリクストンO2アカデミー凱旋公演。

漆黒の闇を彷徨った2018年、
ベビーメタルは死んだ、その声を払拭する鮮烈の再デビュー、
あの横アリ公演を凌ぐセンセーションを巻き起こすことができるであろうか、と。

ただ、そう、ただ、あのグラストンベリーでの姿を見たいまとなっては、
ベビーメタルは最新こそが最高、その定則に変わりはない。
それは確信しながらも、
嘗てのベビーメタルしか知らぬ初見的観客達に、
この新生モードの様変わり、
BMDから、ドキモからウキミから、
そしてなにより、あの紅月からヘドバンから必殺IDZ!
あの究極の押せ押せ攻め攻めの剛速球的なロック魂に比べ、
今回ご披露するギャラクシーからの新曲群。
既に定番化したディストショーン、エレガは別にしても、
あのカレーメタルのシャンティ・シャンティが、
そしていまや一押しであるところのPAPAYA、
この一種、魔球的な変化球が、
果たしでどう受け止められるのか。

とまあそんなことを気にしないでもなかったのであるが。

という訳で、果たしてこの2019ブリクストン・アカデミー凱旋ライブ。
新生ベビーメタルの実質的な再デビュー公演。
いったい、どうなったのであろうか、と。

という訳で、満を期していまや続々と上がり始めた、
待ちに待ったファンカム、その海賊映像。
いまやべのベビーメタルの恒例ともなった動画漁りのモグラ叩き。
お熱いうちに召し上がれ、と。

まずはメギツネ。
遠方から二階席からといろいろなアングルを眺めた中で、
やっぱりべのベビーメタルは、モッシュピットでしょ、と。
それを確信させられるこの映像。





どうです、この熱狂、この狂乱、この騒乱、
そしてなにより、この不動の安定感。
それはまさに、威風堂々の絶対王者の貫禄、という奴なのでしょうが、

で、
で?
で、改めて、ちょっとここで、意地悪。

こちら、2014年のブリクストンからのファンカム映像





舞台セット、コスチューム、照明の違い、はあれど、
なにより、この若さ、この新鮮さ、この鮮烈さ、
そして、なによりこの 狂気さえも秘めた危うさ、つまりは、不安定感・・・

だってさ、この時、ユイ最愛、いくつ?
まるで子供に見えるじゃない?

今更ながら、これ、やばいよ、子供にこんなことさせちゃ・・・

そんな気にもさせられる、
つまりそう、このイケナサ、危うさ、ギリギリすれすれ感、
それこそがベビーメタルの魔力であった訳で、

で、ねえ、正直どう?2019年と2014年、
これ見てどう思う?

どちらが良いか、なんてことはいまさら言う気はない。

ただ、このベビーメタル、その五年間に渡る長き旅の間に、
いったい、なにを得て、そして、なにを失ったのか。

ぶっちゃけ、三姫が大きくなった。
その身長が?
いや違うよ、言いたいのはその存在感が。

嘗てのあの、子供子供した風情。
すぅちゃんがともすれば引率の先生にさえ見えた、
凸凹三人娘のこの不安定感。

ではありながら、そう、今回のこのステージング、
この映像だけを見る限り、なんとなく、
絵面が単調に思えない?

で、そう、2014年のこのデコボコ感、そのハチャメチャ感、
その、なんというか、ちょっと雑然とした感じ・・

その印象が、いったい、どこから来るのか?

はい、そう、貴方もそう思いますか?

つまりは、神バンド。

2014年のあのテルテル坊主のしろ塗り白装束姿。
まさに、幼気なデコボコ小娘たちをがっちりとガードする、
まさに、騎士団、あるいは、守護神、ともすれば、白い城壁。

そう、この時代、べのベビーメタルとは、
三姫、として、神バンド、その融合体であった。

そして2019年、いまや、白塗りどころか、仮面を被らされた神バンド。
下手をすれば、それは、黒子的扱い。つまりは?
そう、つまりはこれ、BABYBONE、
奇しくもあの、オタク大魔王の予言、
ベビーメタルは骨バンド時代に回帰する筈だ、
あの、謎の予言に、刻一刻と、近づいている、
そんな気さえさせる、この謎の仮面舞踏軍団。

ただ、改めて言わせて欲しい。

前回の横アリ、そのお送り頂いた秘蔵の海賊音源、
そしてなにより、ビジュアル的にはその鮮烈デビューとなった、
あの、グラストンベリーでのBBCからの映像、
そしてこの、ブリクストン・・
なにより神バンドの音が、分厚い、図太い、
なにより、ドラム神のその音、
バスドラ、そしてスネア、そしてタムの抜けが格段に違う。

つまりは、ベビーメタル、
三姫の成長と同時に、神バンドも、
そして、裏方エンジニアさんたちも、格段の進歩を遂げている。

つまりは、あのエレガにおける、音の3D。
スタジオ盤において、あそこまで臨場感にあふれるサウンドを刻みこめるのであれば、
そしてこのライブにおいて、これだけクリアにタイトに素晴らしい音が拾えるのであれば、
そして、そのメンバーが、ともすれば仮面、なんてのを被っていたのであれば、
下手をすれば、そのライブ撮り演奏の皿回し、なんてことさえ、可能になるじゃねえか、と。

そして、先日公表された世界ツアー、この殺人的なまでのライブスケジュール、

え?ってことは神バンド、いまや超売れっ子の、
この日本随一のスタジオ・ミュージシャンの巨匠たちが、
ベビーメタルの専属バンド契約、となる訳かいね、と。

そう、いまや、すぅ最愛、そして、サポート姫、
その奇策を定着させたベビーメタル、
そして残された問題は、と言えば、
いまや、超売れっ子であるところの神バンド、
特に、その象徴とも言える二大巨匠、
ベースのBOHと、ドラムの青山、
少なくともこの二人が居なくては、
神バンドは、そして、ベビーメタルは成り立たない。

ベビーメタルの抱えるこの宿命的難問を、
チーム・ベビメタはどうやって解決するのか。

まず考えれるのは、つまはこの仮面の真相。

つまりは、長期海外ツアーに向けて、
メンバーの挿げ替えの効くように、
はなからその正体を有耶無耶にしてしまう、というつもりなのか。
そしてその向かう先は、他でもない、神バンドの骨バン化、であろう、と。

だがしかし、と俺は敢えて、心からの希望的観測を込めて、

ベビーメタルはいまだに、ダークサイド、つまりは、進化の過程にある、
と定義したい。

2018年のあの突如のイメージチェンジ。
アマゾネスから、そしてデストピア、
あれはまさに、三姫がそのアイコンであった定番スタイルをかなぐり捨て、ともすればそれを隠蔽し、
ついにはあの7人体制、そしてあの厚化粧、
つまりは、顔を隠しては、その存在を隠匿した、ということなのだろう。

そしていま、AWAKENS、つまりは自我:レーゾンデートルへの目覚め、しいてはその戦いの標的を見極めた三姫。
だがしかし、それと同時に、
その仮面によって、そして黒いコスチュームによって、その存在を更に隠匿した感のある神バンドたち。

この人たちいったい誰なの?

だが俺達には判る。
見た目は騙せても
この音、この音だけは、誤魔化しようがない!

このフレーズは、このピッキングは、このフィンガリングは、
このフィルは、このストロークは、このフォームは、
BOHだ、青神だ、大神だ、
だって、こんな音、神バンドにしか出せねえし!

ただ、その違いが判る筋金入りメイトは別として、
ほとんど大抵の観客達、
うちのかみさんを筆頭に、
そして、ドルヲタという奴らだって、
神バンドを誰がどんな演奏をしようと大した違いはない、
そんな人々が、ほとんど、であろう。

ただ、それは、アーティストの尊厳にかけて、
三姫が珠玉であるように、神バンドもまた珠玉であらねばならない。
それは、それだけは、絶対に揺るがせてはいけない、
まさに、ベビーメタルの根幹。

であれば、と、俺は心からの希望的観測を込めて、
言ってしまおう、言い切ってしまおう。

この、仮面の真相、この黒装束の理由とは、
つまりは、ベビーメタルはいまだに、ダークサイド、
神バンドという、唯一絶対の守護神が、
まだ、覚醒を見ていない、その進化の過程にあるのではないか、と。

このAWAKENS、このギャラクシーのツアー、
その先にあるものとは、唯一絶対の守護神たる、
神バンドの覚醒、つまりは、その正社員登録の正式メンバー化。

ベビーメタルが晴れて押しも押されもせぬ世界一のスーパーバンド、
ライブ一発で数億の金が動く、
そのドル箱スターとしての不動の地位を確立した暁には、
破格のギャラを以て、神バンドをお迎えする、
その英断がくだされる、その筈である。

その時にすぅめたるは、そして最愛メタルは、
限りない、尊敬と、感謝と、友情と、愛情とを以てのご挨拶。

ギター、大村さん、
ベース、BOHさん、
そして、ドラムス、
ザ・グレイテスト・ドラマー・イン・ザ・ワールド、
ヒデキ、ヒデキ、ヒデキ、ヒデキ・アオヤマ!

世界に向けてその宣言が、高らかに、成される筈、なのである。

そしてその時こそ、すぅめたるのその生涯の夢であった、世界征服の野望、
それが成就した時でもあるのだろう。

ベビーメタルが骨バンドに回帰するだって?
そんな馬鹿げた話があるものか。

ただ、そう、まだ少し、時間が必要だ。
つまりは、そう、軍資金。
大神を、BOHを、
そしてなにより、
青神に生涯就職を納得させるための、
その、条件が、必要なのだ、と。







「グラストンベリーの真相」

という訳で、その大いなる布石となったであろう、
あの、グラストンベリー・フェスティバル
そのアーカイブ映像。

奇しくもあの、反哺ゲイ団体の見当違いの横槍、
なんてもので多少の混乱を生じた感はあるが、

いま改めて、このグラストンベリーの完全映像を見返しながら、
この映像は、終世ロック史上に燦然と輝く金字塔。

これ以上のロックはこれまでにも、そしてこれからもありえない。
世界中の音楽フリークスたちに、その真実を納得させるに十二分な、
まさに、奇跡の神懸かり映像である。

因みに、今日仕事先で出くわしたイギリス人。

グラストンベリー・?なんだそれ、と一笑。

ありゃな、ジジババのものだぜ、と。

ジジババ?

デヴィッド・アッテンボローの反捕鯨集会に
訳も分からず涙するような、そんな類。
つまりは、普段から家に籠もりきりの老人たち、
その不甲斐なさ、その罪悪感を払拭するために、
日がな一日つけっぱなしのテレビで、
自然番組やら、歴史番組やら、
ともすれば、日曜の時事放談に本気で目くじら立てては要らぬ正論を振り回す、
そんな、しょうもない骨董品たちの、唯一の憩い。

その観客達、良く見てみろよ、と。
メタルどころか、ロックどころか、
そんなものが世に存在することさえ悍ましいような、
そんなとっぱずれたジジババとそのヘルパーさん、ばかりじゃねえか、と。

ジジババと、そのヘルパーさん?・・・・

もしかして、と思っていた。
もしかして、ベビーメタルは、
そんな、耳栓、或いは補聴器、なんてものをしたジジババ、
いまだに音楽は、シューベルトとモーツアルト、
あるいは、グレン・ミラーとフランク・シナトラ、
ぐらいしか聴いたことがないような、
そんな時代錯誤の骨董品達を相手に、
本気の本当のメタル魂の真髄、
ディストーションが、ギミチョコが、カラテが、RORが、
ともすれば、ッパッパッパッパ、パパヤ、パパヤ、
そんなものを、力の限りに、ぶちかましてしまった、という訳なのか、と。

ただ、これまで、メタル、あるいはパンク、
その真髄を極めるアーティスト極道たち、
ともすれば反社会的なまでにこの筋金入りロック野郎どもを、頑なに拒み続けてきた、
この女王陛下御用達の由緒正しきフェスティバル。
つまりはこれ、紅白歌合戦の、イギリス版ってやつだったのかよ、と。
あの、グラストンベリーとは、そもそもがそういう品行方正なイメージを大前提とした祭典であったらしい、というのをいまになって知らされた。

ただ、そんなものにベビーメタルが招かれた、
というのも、
つまりは、あの三姫の姿が、
まさにそんな品行方正さ、
凛として気高く、
慎ましやかながら一本ピンと筋の通った、
その、神々しいばかりのイメージが
女王陛下との接見に価する、
その判断があって初めてだろう、と。

そして見ろよ、この萎びきった地蔵達に
情け容赦なくぶちかまされる本物の、本物過ぎるロック魂のその珠玉の真髄。
一曲一曲と引き寄せられてはおびき寄せられて、
ついには、地平線まで広がるそのキツネサイン。

エビバディ・ジャンプ、と言われた時のジジババたちの、清水の舞台から飛び降りるかのような決死の形相。

ただ、俺は信じている。
あの、ベビーメタルの姿が、そんな生きる屍の心に火を点けた。
決してライブには足を運んでくれそうもないが、
ただ、BBCのアーカイブで、そしてYOUTUBEで、
日夜、ベビーメタルの動画を漁っては、
喉に痰を絡ませた掠れ声で、
オーオーオー、と密かに声をあわせる、
そんな日々が始まっていることを確信している。

なんだよ、ドルヲタから、ロック馬鹿、
そして、宝塚フリークスの後は、
ついには、ジジババかよ。

ただ、そうやって着実にファンを増やしながら、
ありとあらゆる人々を魅了し続けるこのベビーメタル。

その可能性は、無限だ。







「メンタルヘルスとベビーメタル」

と言う訳で、ベビーメタルのAWAKENS、
その活動を再開した途端の眠ぬ夜。
最近また、睡眠障害が悪化しては徹夜続き、
でありながら、
不思議なことに、ベビーメタルのツアー中、
どれだけの不眠を繰り返して、
それがまったく苦にならない。

それもこれも、ベビーメタルの御利益、或いは魔力という訳なのだろうが、、
そんなことを綴りながら、ふと、思い出した逸話がある。

実は友人の息子が脳腫瘍が発覚し、
先日ここニューヨークの癌専門医の元で手術を受けたのだが、
その退院祝いで食事会を開いた際、
リハビリの期間に付き添いに雇われた看護婦さん。
年の頃なら三十半ば。
金髪碧眼に加えて、なによりその、鷹の瞳を思わせる鋭い視線。
聞けば、精神疾患患者専門の臨床医。
医者と言うよりは見るからに、鬼婦長の鑑、のような人でもあった訳だが、
兼ねてから、無類の音楽好きであったこの息子さん。
ロック、パンク、メタル、
テクノからヒップホップから、
そして、ジャズからクラッシックまで、
ありとあらゆる音楽に精通しての音楽談義は尽きることなく。
なあ、だったら、ベビーメタルって知ってる?
と、聞いてみたところ、
知ってるわよ、と答えたのが、なにを隠そうその鬼婦長さん。
ベビーメタル、知ってるわ。
え?あなたが?
ええ、ベビーメタル、勿論知ってるわ。
あなたも音楽ファンなんですか?
勿論、音楽も使うわよ。その療法の手段として。
療法の、手段?
不安神経症、パニック障害、鬱病から、
そんな軽度の患者には、ベビーメタル、覿面よ。
ベビーメタルが、精神病患者に、覿面?どういう意味?
私、実は、大学の時から音楽療法を研究してたのよ。
音楽療法?
だったら、船酔いの時に、どんな音楽が最適かって知ってる?
船酔い?
そう、船酔い。船酔いの時にはね、インドのクラッシック音楽が一番なの。
え?
そう、船酔い、あのゆらゆらふらふらとした、めまいを伴う平均感覚障害。
あれを治すにはね、自らその船酔いの中に没入しては、それに身を任せてしまうことなの。
インド音楽の、あの今にもめまいのしそうな浮動感。
ただ、優れたインド音楽の持つあの恒久感が、恒常性維持機能を促進させることに気がついたの。
船に酔った状態とは、揺動する状態を固定した状態に無理やり戻そうとするから起こるのよ。
揺れるものに乗った時には、無理をして安定させるのではなく、
自ら率先して揺れてしまうことなの。それが奥義。
今度船に乗ったら試して見て。
船酔いに、ラヴィ・シャンカール、覿面よ、間違いないわ。
で?
で、ベビーメタル。
そう、ベビーメタル。
これまで、不安神経症の患者を安定させる為に、
リラックスミュージックやら、波の音やら、
モーツアルトやら、どビッシュ-やら、
そんなものばかりをやっていたのだけれど、
正直、全く効果が現れなかったの。
不安定な患者を囲んだ環境を無理やり安定させようとすればするほど、
患者は自身の不安定さを浮き彫りにしては際立たせてしまう。
でね、重度の鬱病を患って自殺未遂を起こした人が、
ひょんなことから、このベビーメタルっていうバンドを聴き始めて、
聴き始めて?
その症状が、劇的に好転したの。
ベビーメタルで鬱病が治った?
そう、不思議でしょ?ただ、それは純然たる研究の結果なの。
ベビーメタルを聴くと、不安神経症患者に劇的な好転を齎すのよ。
そんなつもりでベビーメタルを聴いてる奴がそれほどいるとは思わないけど。
ストレスなのよ。
この世の精神疾患、そのほとんどの元凶はストレスなの。
そして、このベビーメタルというバンドには、不思議なほどにそのストレスの浄化作用、
ともすれば、その耐性が促される、そんな不思議な効果があるみたいなの。
実はその、ベビーメタルで鬱病が治った患者さん。
ものは試しに、と、同様の症状を抱えた職場の同僚たち、
つまりは、プログラマーの人たちに、このベビーメタルを勧めてみたんだって。
そしたら?
そしたら、もう効果覿面。まさに、キラーっていうぐらいまで、
その職場の人達は、仕事中、四六時中このベビーメタルを聴いている、
当然のことながら作業効率も劇的にアップしてWINWINの言うことなし。
プログラマーにベビーメタルか、なんとなく判るような気もするな。
という訳で、私も実は、ベビーメタルを聴いているのよ。
あなたが、ベビーメタルを聴いている?
そう、車に乗ってる時とかは駄目よ絶対。
十中八九スピード違反で捕まる事になる。
寝る前も駄目。末期的な不眠症に陥るわ。
ただ、ひとり黙々と研究レポートを書いている、
そんな時にね、このベビーメタル、
精神安定効果、その集中力促進に、絶大な効果があるのよ。
ベビーメタルは、スマートドラッグ、という訳か。
ベビーメタルの効果は、ストレスの浄化なの。
どういう訳かあのドタバタガリガリのメタルサウンドにあのベイビーボイス、
あの凄まじくやかましい音楽が、妙な具合に、ストレスを抑制しては洗い流してくれる。
実はね、私、そんなストレス性の患者さんたちに、
研究の一貫としてベビーメタル聴かせているの。
成果は上々。もうすぐちょっとした論文が仕上がると思う。
なんか、褒められているのか、なんなのか・・
このベビーメタル、現代という時代にぴったりと符合してるの。
この強度のストレス社会の中で、
それこそ、ベビーメタルでも聞かなければやってられない、
そう思ってる人たちが、ほとんど、なのよ。
つまりはベビーメタル。ステージの上での極度の緊張状態から、その浄化から昇華へ、その死と再生のドラマこそが、凄まじいばかりの精神安定効果に結びつくのか。
ホメオパシー。
恒常性維持。
そう、ベビーメタルにはそれがあるのよ。
極度のケイオスの中に、ピンと張り詰めた平行感。
ワグナーにも、ラフマニノフにも、
ローリング・ストーンズにも、セックス・ピストルズにも、
一時のガンズ・アンド・ローゼズにもそれがあったというわ。
それは船酔いの中でのラヴィ・シャンカール。
つまりはケイオスの中の永劫感。、
それはすぐれた芸術作品だけの持つ、普遍的ななにか、なのよ。
そして、ベビーメタルには明らかにそれがある。
臨床治療の結果が、それを証明しているもの。
ローリング・ストーンズも、ジョン・レノンも、
ルー・リード、デヴィッド・ボウイ-、
ロバート・フィリップも、ブライアン・イーノも、
レディオヘッドも、オエイシスも、ガンズ・アンド・ローゼズも、
すべてが、重度依存症の神経症患者たち。
そして音楽にレメディの効果を探していた人たち。
ベビーメタルという人たちがどんな人達なのか私は知らない。
でも彼女たちの音楽が、先人たちが探し求めていたなにか、
つまりは、音楽におけるレメディを、確実に、それも凄まじいほどに保有している、
それだけは確かなようね。
ただ、問題はその音源。
ベビーメタルってアルバムを二枚しかリリースしてないのよね。
ねえ、ベビーメタルのアルバムで、好きなのはどっち?
ファースト?それともセカンド?
いや、俺、実はアルバムは聴かないんだ。
アルバムは聴かない?
そう、俺が聴くのはライブの海賊版。
それから音源だけをRIPしてIPHONEにぶち込んで。
ブートレッグから音源だけを取り出すの?
そう、そういう海賊版が山程あって。
山程?まさか・・
そう、そのまさかの山程の海賊音源を、際限なく聴き続けている。
方法教えてくれる?
いや、YOUTUBEで、グーグルで、検索すればすぐに出てくるよ。
ほら、これ、と、隣でそんな話を聴いていた、
まるで、頭におむつをしたような、手術直後の御曹司、
手にしたIPHONEに開いたYOUTUBE。
これ、なに?
ああ、知ってる、それ、LATE SHOW
LATESHOW?
そう、スティーヴン・コルベアの番組にゲスト出演した時のやつ。
実は俺も、それからベビーメタルにハマったんだよ。
ねえ、聴かせて、と、その手からイヤフォンを毟り取った鬼婦長。
なんなのこれ、と素っ頓狂な大声。
なんなのこれ、これ、なに?これ、まさに、レメディの塊じゃないの・・
このぐちゃぐちゃのケイオスの中に、この子の声、この声が響くとそこに永遠が生じる。
これ、ライブ?
そう、スタジオ・ライブ。
これ、ライブで、生演奏で、それも、全国ネットのテレビで、これをやったの?
そう、2016年じゃなかったかな。
オーマイガッド・・・とんでもない時代になったものだわ・・
とそれから、その鬼婦長さん。
ノリノリ、というよりはまさにその真逆。
まるで親の仇でも見つめるように、
このスティブン・コルベアのギミチョコ映像、
繰り返し繰り返し、永遠と繰り返してのオートリピート。
患者さんから、あの、バッテリーなくなっちゃうんだけど、
そんな声も尻目に、その後のパーティのすべてをぶっちぎっては、
永遠とその映像を凝視し続けていた、のであった。
そのうち真面目の真面目に、米国精神疾患研究誌、
なんてところに、鬱病治療の特効薬として、ベビーメタルの名前が踊る、
そんな珍事が、巻き起こるやもしれず・・
ベビーメタルの抗鬱治療か、なんとなく、さもありなん、という気もするのだが・・







「そしてひと目だけでも・・・」

という訳で、ウィンブルドンの熱戦が続くロンドンから蜻蛉返りのベビーメタル。

次は、あの、名古屋。
つまりは、最愛メタル、生誕祭。

で、そこに登場するであろう、3人目。

それが?まさか、えええ、まさか、そんなことはありえない。

ただ、そう、幼き頃からその寝起きを共にしてきた、
盟友、というよりはまさに、双子の姉妹。

その片割れの誕生会に、もしや、あのユイが、飛び入り出演する?

まあ、夢と言ったらこれにまさる夢もないのだが、
ただ、確かに、ベビーメタルのメンバーとしてステージに参加するか如何は抜きにしても、

突如のゲストしての花束贈呈、それぐらいのサプライズであれば、
予想できないこともない。

最愛の誕生祭に、ユイが飛び入り出演・・・

泣くだろうな、会場中が涙にくれて、
その涙が、鉄砲水のようにステージに押し寄せるかもしれない。

ユイか、会いたいな、見たいな、その姿、あの笑顔、ひと目だけでも・・・

そう思っているのは、俺だけじゃないだろう。

そして改めて、里保メタル、そして、華乃メタルの登場を前にして、
物の見事な離陸から瞬く間の安定飛行。
いまや怒涛の暴走銀河鉄道として天高く舞い上がっていくベビーメタル。
このまま行けば、世界の頂点、世界征服の野望は最早確実。

良かった、本当に良かった、と安堵のため息を漏らしながら、

ではありながら・・

そこにユイがいない・・
その不思議に改めて絶句を繰り返す、その気持ちを忘れた訳ではない。

ユイちゃん、ひと目だけでも・・・
そんな思いが、いまもギリギリと胸を締め付けるのである。

そして時が流れていくであろう。
そしてこの先、ステージの度に、その助っ人さんがどなたであるのか、
その姿に目を凝らしながら、まさか、まさか、まさか、あれ、ユイちゃん!?
そんな夢を、見続けることになるのではあろう。

という訳で、あったり前田の大成功に終わったロンドン・ブリクストン公演。
大丈夫だ、もうベビーメタルはなにがあっても絶対に不滅だ。
そして、動画サイトの泡沫に、結んでは消えるこの劣悪な海賊動画を追いながら、
ベビーメタルの文字通り、世界を股にかけたその戦いの様、
同じ時代を生きる歓びを噛み締めながら、
追って追って追い続けよう、そう思っている。







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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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