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超長文「BABYMETAL THE FORUM で10回泣いた男の話」 その2~「ベビーメタルの注目すべき人々との出会い」

Posted by 高見鈴虫 on 20.2019 BABYMETAL☆ベビーメタル   0 comments
「BABYMETAL THE FORUM で10回泣いた男の話」
その序章~「伸るか反るか2BORNOT2B 天使の街の光と影~LA THE FORUMを前にして」
その1~「ベビーメタルのミッション・インポッシブル」
その2~「ベビーメタルの注目すべき人々との出会い」
その3~「それはまさに考えうる限り最高最上最強の瞬間だった!」
その4~「友よ:そして新たなる旅立ちの時」

♪    ♪    ♪    ♪    ♪


脱線:スピンオフ 「ベビーメタル THE FORUMへの旅」

「注目すべき人々との出会い そのいち~THE FORUMを囲む人々」


という訳でこのFORUM。

遠路遥々会場に到着した途端、
いきなり目の前に突きつけられた、

TONIGHT BABYMETAL
*** SOLDOUT ***

そのあまりにあまりに出来すぎた歓迎挨拶。
思わず涙をにじませながら、
眼前に広がるその巨大な砂漠のような駐車場のその向こう、
まるで地平線に浮かぶ蜃気楼のように、
おなじみの黒ずくめルックのメイトたちの姿が見える。

試しに、ベイビーメートー!と叫んで見た。
思った通り、ベイビーメートー!とコダマが返った。
メイトたちだ。座碗だ。 WE ARE BABYMETALだ。
そのフェローシップ・トゥルーパーたち。
来たぜ、ニューヨークから遥々と。
あなたたちに逢うために!

誰かれ構わず、よおよおよお、
ベビーメタル・DEATH! とキツネサインのエールを交換しながら、
で、そんな時、ちょうどまた例によってVIPとCHOSEN7、
そして、GAの人々への区分けが始まったところ。
時間は4時過ぎ。
もしかしたらベビーメタルのリハーサルが始まった頃かもしれない。
VIPの列にピカチュー氏を筆頭におなじみの面々。
おおお、あんたは確かニューヨークの。
はいはいお久しぶりです。思わず来てしまいました、
って、あなただってニュージャージーの人でしょう。
そうそう、そう言えば憶えていますかこの人を。
ああ、あなたは確かDCでお会いした。
で、ああ、あなたはフィリーでお会いした。
あの後、デトロイトからシカゴから、
テキサスからデンバーからソルトレイク。
ずっとずっと一緒に旅をしてきたの?
そう、ずっとずっと、一緒に旅をしてきた仲間たち。
ベビーメタルのためなら例え火の中水の中!
へへえ、御見逸れいたしました、と思わず頭が下がる。
あなたこそ遠路はるばるニューヨークからよくぞここまで。、
WELCOME BACK! と思わず熱いハグ。
逢いたかった、敢えて良かったぜ、この鉄壁のフェローシップ。

来てよかった、来てよかったぜ、遥々とLAまで!!!



そうこうするうちに特典配布のテントへと誘導の始まったVIPたち。
ではまた、後ほど会場でお会いましょう、と手を振った途端、
あ、あんたらはあっちあっち、と、
蝿でも追うように早々と追っ払われたGAたち、つまりは貧民長屋の面々。
まあ取り敢えず開場まで、とぞろぞろと日陰に移動しながらも、
改めてその客層のバラエティといったら無い。

その見るからにロッカー崩れたち、は勿論の事、
ソンブレロ、つまりは金銀ラメラメのつば広帽子を被ったメキシコ人の一団。
聴けば、本当にマリアッチの楽団員の方々だと言う。
ほら見ろ、ここにこの正面に、と飾られた、
そのBABYMETALの特大のエンブレム。
同じミュージシャンとしてベビーメタルは最高だ、と。
そうか、その音楽性のあまりの違いは別としても、
メキシコのマリアッチたちにさえ尊敬されるベビーメタル、
嬉しい限りじゃねえか、と。

と見れば、ちょっと浅黒いアジア人の大集団。
ああ、おまえらフィリッピーノたちか。
言うまでもなくLAのフィリッピン人口、
いまや本国のマニラを軽く凌駕しては、
リトル・マニラどころかこちらが本場のビッグマニラ。
ここLAこそは世界で一番のフィリピン人人口を抱えた街でもあるのだ。
そのフィリピン人の若者たちが、
大挙としてこのベビーメタルのライブに押し寄せているという訳か。
改めてその同じアジア人の好から、
よおよおよお、とエールの交換。
LAのそんなアジア人コミュニティ、
その巨大マーケットに火が点くだけでも、
このFORUMアリーナどころか、
スタジアムさえもを一杯にする、
そんなとてつもない展開が予想される、
そうあの、KPOPの人々のように。
LA中のコリアンたちをかき集めたのがKPOPだとすれば、
それ以外のエイジアンの人々すべてを集めては、
盛大にベビーメタルのジャパニメ祭り!
スタジアムの全席SOLDOUTも夢じゃないぜ、と。
フィリピーノのメイト達、よろしく頼むぜベビーメタル!

そして毎度おなじみになった、
これぞまさにベビーメタル・メイトの華!
その麗しの高嶺の花:ジャパニメのコスプレに決めたセクシードールの皆様。
ねえねえ、今日のこのFORUM、
また、WOWOWのテレビ中継があるんでしょ?
ねえねえ、だとしたら、もしかしてあのWEMBLYみたく、
DVDの発売とかも予定している訳?
だとすれば、ともすれば、
私達のこの晴れ姿、ベビーメタルと一緒に、
永遠にこの世に刻み込める、
さあああ、張り切っていきましょう!とばかりに、
全身からもうフェロモンむんむん、やる気満々である。

そしてそんなアメリカンな爆裂パワーを前にして、
この見るからに日本から着いたばかりなのであろう、
その見るからにタジタジモードの御一行の面々。
いやあ、凄いですなあ、さすが本場アメリカンのこのど迫力・・
このカリフォルニアの絵に描いたような青い空の下、
そのあっけらかんとした風景には、
どういう訳だか徹底的にそぐわない、
そう俺たち、日本人という不思議な人種。
まるで時代劇のエキストラそのままに、
見れば見るほどどこかで見た日本の原風景の姿そのもの。
そう、この日本人という民族、
東京においては世界一スノッブでスタイリッシュなロマンスグレー、
である筈のその筈が、
ひとたび海外に出たその途端に、
どういう訳だか妙に妙に、いきなりの先祖返りの純日本風、
必要以上にその民族性に里帰りしてしまうようで・・
で?そのもじもじタジタジのその本当の本音の本心は?
と見渡してみれば、ああ、つまりそういうこと?
という訳で、
昔とった杵柄のそのC調添乗員の面目躍如。
ねえねえねえ、のそこのコスプレの姐ちゃんがた、
このひとたちが一緒に写真撮りたいってさ。
ちょっとその一肌二肌、脱いではくれまいか、と。
えええ、きゃあああ、まじで?こんな私達と?
OK!だったらちょ待ってちょ待ってちょっとお化粧直すから!
という訳で、両手に花のセクシードールを抱えては、
喜び勇んで大はしゃぎ、どころか、
今にも卒倒でもしそうに緊張こいては直立不動の道祖神。
という訳で、
ねえおじさん、せっかくのベビーメタルなんだぜ、
キツネのサインぐら出してくれや、と。
としたところがその途端、
そうそう、そうだった、ベビーメタルであったぞ、と。
いきなりその民族の呪縛、
その呪いから解き放たれたかのように、
その伝家の宝刀のキツネのサインを翳しては、
いきなり弾けるような満面の笑顔を。
それ、行きますよ、1-2、1-2-3 JUMP!
カリフォルニアの絵に描いたような青い空の下、
この世の華の晴れ姿!
いやあ、これ、この写真、まさに一生ものですよ、と。
これもまた、ベビーメタルのマジック、
キツネの神の思し召し、という奴なのか・・

という訳でこのベビーメタル・メイトたち。
世界各国からのそんな徹底的に意味不明な輩たちが、
このカリフォルニアの空の下、
FORUMの廻りをぐるりと取り巻いては日陰を探して右往左往。

とそうこうするうちにこんな俺の周り、
いつの間にかその必然か宿命か、
なんとはなくも類は友を呼んでの誘い水。
つまりは国境を越え人種を越え世代をも越えた、
全人類の共通する言葉、ロック、その無残な残骸たち。

で、あなたはどちらから?
フロリダ、ジョージア、ワシントンDC。
シカゴにデトロイトにテキサスにコロラドに。

つまりはこれまでベビーメタルの歩んで来た道のり。
その姿に触れた人々が、そのベビーメタル・ロスの焦燥に身を灼きながら、
あの姿、もうひと目だけでも、と思わず馳せ参じてしまいましたこのFORUM。
つまりは今回の北米ツアーの一足早い打ち上げ大会。

とそんな中にも、
俺はシドニー・オーストラリア。
オ、オ、オーストラリア?
ああ、去年のGOOD THINGS。
そうそう、あのベビーメタル、凄かったぜ。
俺はロンドン。
おお、この間のグラストンベリー見たか?
いや俺はBRIXTONを見たんだ。
凄かったよ。真面目の真面目にあんな凄いもの見たことがなかった。
で、思わず買っちまったよ。このFORUMと、そしてLA行きの航空券。
で、君はニューヨークから?
ああ朝にニューヨークを出て6時間のフライトで、
いま空港から直行して来たばかり。
で?いつまでLAに?
いや、今晩の便でニューヨークに帰る。
ええええ、LA日帰り?
そう、6時間かけて飛んできて、
ベビーメタルを見てすぐにニューヨークにとんぼ返り。
やれやれ、ご苦労なことで。
まあ俺たちも似たようなものだが、と笑う海外遠征組。
俺たちはこの後のポートランドとシアトルの公演を見た後に、
そのまま日本に向かうんだ。
日本?
そう、11月16、17日の埼玉と、
そして、20、21日の大阪。
23日の香港を経て、そのまま南下してオーストラリアに帰ろうかと。
ああ、良いなそれ、とロンドンっ子。
だった俺も、日本経由の香港経由で、あのあたりをぶらぶらしても良いな。
ついでに2月からのヨーロッパツアーにも付き合ったらどうだ?
ああ、そのつもりだ。ロンドンに来るしな。
その後、2月のロシアだろ?最高だよ、と。
ああだったら、とオーストラリア人。
ああだった俺たちもそうしようかな。
2月のロシア?俺たちまだ雪を見たことが無いし。
面白そうじゃねえか、と。

おいおいおい、ベビーメタル・メイトたち、
あんたらいったい、どこまで強気なのか自由なのか。
あるいはそう、これもまたひとつのベビーメタルの魔術。
ベビーメタルの為なら例え火の中水の中、
その熱狂が高揚が興奮が、人々の心を限りなく解き放っていく・・
つまりはそれも、キツネの神の思し召し・・


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脱線:スピンオフ 「ベビーメタル THE FORUMへの旅」

「注目すべき人々との出会い そのに~METAL GALAXYをどう思う?」


で?
とそんなメイトたち。
その共通の関心事はと言えば、
で、メタル・ギャラクシー、もう聴いたのか?と。

ジューダスからメイデンからライオットから、
一環して正統派メタルのフリークであった、
見るからに全身これメタルの残骸風なバイカー老人は、
正直言ってショックだった、と。

メタルのバンドで、ラップだけは、やっては欲しくなかったと。
ああ、BXMXC のことか、と思わず笑う。

で、その隣り。
見るからにモトリー・クルーからドッケンからポイズンからガンズから、
アメリカン馬鹿ロックの王道、生涯一LAメタルのような岩石男。

メタルのバンドには、コメディは、コメディだけは、やって欲しくなかった。
メタルもロックもポップも肥大化してはさまざまなサブジャンルに分化したのは判る。
だが、メタルは普通の音楽とは違う。
そこに、コメディは、コメディだけは、含ませてほしくは無かった、と。

つまりは、OH MAJINAI、のことか、とまたまた大爆笑。

総じて、今回のアルバムには、
メタルを名乗れる曲が一曲も含まれていなかったと。
それが、とてもさみしい、と。

つまりは?

つまりは、言いたくはないが、大失敗作、だと思う、と。

いや俺は好きだったぜ、というこれまたビール腹を膨らませた中年男。
インド民謡だけは頂けないがラテンだったら大歓迎だ。
ナイトナイト・バーンが一押しかな、と。

で?お前はと聴かれる。
ああ、俺は最高だと思ったよ、と。

俺は元々メタル馬鹿でもなんでもないしな。
そもそも俺はニューヨークから来たんだよ。
つまり一筋縄ではいかない筋金入りの糞野郎ってことでさ。

ストーンズも好きだがジャズもオペラも好きだ。
セックス・ピストルズも好きならガンズだってフロント・ロウで見た。
イギーポップもパンテラもモーターヘッドも大好きだが、
同時にレディオヘッドもオエイシスも好きだった。
俺はジャンルやらスタイルやらそんなものよりは、
音楽的なクオリティそのもので判断することの方が多い。

ミュージシャンだったのか?と聞かれる。
ああ、ドラムをやってた。
ドラムか。でどんなドラムを叩いてたんだ?
なんでもやったよ。金が貰えるならなんでもやった。
ジャズからラテンからパンクからメタルからR&Bまで。
ダウンタウンのレストランの三角ステージで
ビル・エヴァンスに合わせてブラシを擦ってたこともあれば、
CBGBやらコンチネンタルやらDON HILL’Sにもよく出てたし、
ゲイクラブでドラムンベースに合わせて叩いていたこともある。
そう、俺は基本的にミュージシャンというよりもドラム職人なんだよ。
どんなジャンルでもそのテクニックは吸収しなくてはいけない。

それでベビーメタルか。

ああ、俺がベビーメタルに興味を持ったきっかけはドラムだったんだよ。
オリジナル神バンドのヒデキ・アオヤマの父親の、
ジュン・アオヤマが子供の頃のアイドルだった。
ベビーメタルを応援したのがそれが理由だったんだ。
で、驚いたんだよ。
ベビーメタルのドラムはこれまでのドラムとは違った。
つまりは、ドラマーがドラマーとして曲に合わせたものじゃない。
ドラマーが叩いた音をデジタル化したのではなく、
ドラムなど叩いたこともない奴がデジタルで作ったその音源を、
そっくりそのままアコースティックのドラムで再現をした訳だが、
そのなにもかもが、これまでのドラマーでは考えつかなかった
斬新なアイデアに満ちていたんだ。
通常、ドラムだったら当然入れるべき音が入っていない。
通常、ドラムだったら考えつかなかっただろう音がてんこ盛り。
そのあまりにも無茶苦茶なドラムスタイルが、
逆にものすごく斬新だったんだよ。
それまでのドラム理論、
その当然入れるべき音を敢えて入れないことで、
絶対にやってはいけないことをあっけらかんとやってしまことで、
ドラムという楽器がここまで蘇るのか、と。
ショックだったんだよ。これは研究しなくちゃいけないと。

という訳で、ベビーメタル、
最初はドラムの音ばかり聞いていたんだが、
そしたら・・

すぅめたる!?

そう、すぅめたる。
すぅめたるの声がいきなり飛び込んで来て。
こりゃ凄いと。
とたんにドラムなんてどうでも良くなったんだ。
ドラムなんて、音楽にとってはそれほど大切なものじゃないってね。
今更になって気付かされた。
バランスというよりもオーガナイズというよりもコンポーズというよりも、
つまりは、世界観なんだよ。
音楽という手段でなにが伝えられるか、なんだよ。

で?すぅか。

そう、いまとなってはすぅの歌ばかり聴いている。
すぅは天才だよ。誰がなんと言ってもすぅは天才だ。

確かに、今回のメタル・ギャラクシーは、
すぅのすぅによるすぅの為のアルバムだな。
オレはすぅめたるのソロアルバムじゃないかってさえ気がしたんだ、
という古のメタル・ヘッドに、

いや、逆だと思うな、と、突然声を挟むものがいた。

いや逆だと思う。
今回のアルバムのほとんどが、先にコンセプトがあり、
それに合わせて曲が作られ、
そしてそのマスタリングが終わったところですぅめたるが呼ばれ、
すぅはひとりのミュージシャン、
つまりは、そのドラムの人に言わせるところの、歌職人として、
そのカラオケの伴奏に合わせて、どういう歌を歌うべきか、
それを問われたんじゃないかな。

そう、このアルバムにおいて、
試されたのはすぅめたるの方だと思う。
そしてすぅはそれを、素晴らしく料理した。
ボクはそう見ている。

つまりはこれはコバメタルの作ったコバメタルのアルバムだと。

そう、そう言ってしまえば前作の二作もそうだったのだろうが、
前回の二作は、寧ろコバメタルはそれぞれの作曲家に、
そのアレンジからのすべてを依頼した上で、
そのそれぞれの作曲家たちが、
すぅめたるという素材にあわせて曲を作っていった。

今回は、それが逆だった、って言うことなんだけど。

少なくとも、もうメタルではないんだな、と、正統派メタルがぼそりと言った。

だから、メタルかどうかというのは大した問題じゃないんじゃないのか?

メタルかどうか、だけがオレにとっての問題なんだよ。

まるで、メタル・ファンダメンタリストだな。
どこぞのテロリストと変わらないじゃないか。
宅録マニアが趣味でやるなら良いが、
それではいつまでたってもメジャーは狙えない。
マネージメント側としては最悪のアフォたちだよ。

メジャーにならねばいけない必要などないだろう。
どいつもこいつもそんなこましゃくれたことばかりいいやがって。
そんなことだから・・

と言うよりも、と俺が割って入る。

じゃあメタルってなんなんだ?
ツーバスでドカドカやることか?
頭を振ってツーバスでドカドカやって、
ギターがぺろぺろ早弾きをすればそれでメタルってことなのか?

俺がドラムを始めたきっかけはジョン・ボーナムだったんだが、
ジョン・ボーナムはメタルでもロックでもなんでもないぜ。
あいつは、酔っ払ってバディ・リッチの真似をしてただけなんだぜ。

職人的な立場から言わせて貰えば、
メタルだロックだジャズだラテンだR&Bだ、なんてことに大した差はない。
メタルのバンドではカーリーヘアーのカツラを被り、
R&Bのギグでは顔を靴墨で黒く塗って、
でもやってることは、ドラムという楽器を奏でる、
その根本に変わりはない。

寧ろ問題なのは、その音楽形態によってなにが表現したいのか。

いったいどんな絵を、夢を、世界を、その音楽によって作り上げるか、
それこそが問題なんじゃないのか?

音楽はその、ひとつの表現手段に過ぎない。

という訳で、俺の拙い英語があまりにも酷かった理由もあるのだろうが、
すっかりと白けきっては唖然として口を開けたままのメタル野郎たち。

そんなメタル野郎たちの姿を見ながら、つまりは、とふと思っていた。

つまりは、これもまた新たなるベビーメタル・メイトの試練。

あのユイ脱退とそれに続いたダークサイドによって、
完全に一層された日本のドルヲタたち、

そしていま、このメタル・ギャラクシーによって、
遂には、バンドヲタ、そのメタル馬鹿までもを、一層しようとしているのか。

改めて、コバメタル、という人。

判る人には判る、判らない人は知ったことではない、
その筋金入りの選民主義。

ただ、俺には判る。
そんなコバメタルの、選民が、いったいどんな人々を選び出そうとしているのか。

それこそが、ベビーメタルの箱舟、約束の土地:アルカディアへと向かう、
その通行手形となるべきもの、その筈なのだ。

では果たして、コバメタルが目指している世界とはなんなのか。

それこそが、今日、ここTHE FORUMで明らかにされようとしているのではないのか?

そしてそれをここにいるすべての人々が見極めに来たのだから。

悪かったな、と俺はいった。

ただ、俺はメタル・ギャラクシーが凄く気に入ったんだ。
正直、ビートルズのサージェント・ペパーズ以来の音楽界の金字塔だと思っている。

このアルバムに、ベビーメタルの、そして、コバメタルのすべてがかかっている。

俺はただ、その名作を、メタルだ、ロックだ、なんていう色眼鏡なしに、
正しく理解して欲しい、ただそれだけなんだ。

厳かな沈黙の中で、ネイサンだ、と、手を差し伸べたその見るからにヲタク風な男。

魂の友よ。ボクのことはネイトと呼んでくれ。

君と話がしたい、と奴は言った。

ベビーメタルを知ってもう7年にもなるが、
初めて逢えたよ。
その正当な理解者を。




脱線:スピンオフ 「ベビーメタル THE FORUMへの旅」

「注目すべき人々との出会い そのさん~ ロックはカミュで、メタルはカフカ」


他ならぬ俺に対して、魂の友、と呼びかけたそのネイトという男。

その見るからにあまりにもイケてないその風情。

鳥の巣のようにもしゃもしゃに逆立ったその頭。
擦り切れたジャケットのポケットに、
IPHONEからチャージャーケーブルから、
車のキーから財布から折り曲げた封筒からを、
ギュウギュウに詰め込んでは、
膨らみきった肚にはち切れそうになって張り付いた、
2016年から着たままのようなメタル・レジスタンスのツアーTシャツ。

その見るからにイケていない姿、
ミュージシャン、あるいは、メタル、
ともすれば、音楽を愛好している風にさえも見えない、
どこぞのゲイマー、あるいは、属託のプログラマーと言ったところだろうか。

ネイサン、と彼は言った。
ネイトと読んでくれ。
サンフランシスコから来たんだ。
朝から車で走って、いま着いたところ。

で?とそのネイトは言った。

で、どう思った?今回の、コバの、新譜。

聴き続けているよ、と俺はいった。
いまも頭の中に一曲目から16曲目まで。
ずっとずっと鳴り響いている。

16曲。日本発売のオリジナル版だな?

そう、日本の方だ。

彼らは米国版しか聴いていないんだろうな。

俺はまだ米国版は聴いていない。

レベルは変えて見たか?イコライザーというか、PROTOOLで。

低音と高音を挙げてミドルを下げた。ドラマーなんでな。
やっぱりドラムの音が効いていないと座りが悪い。

ボクは逆だ。
高低音を敢えて抑えて、中音域を広げて聴いている。
気づいたか、今回のマスタリングは
ロックというより、メタルというより、クラブ系の音により近い。

クラブか、確かにそうだな。

今回のアルバムのテーマはまさに、ダンス・ミュージックなんだ。
その想定されているのはライブハウスじゃない。クラブなんだよ。

で、曲順は変えてみたか?

ああ変えてみた。ダークサイドと、そしてライトサイド。

サン:太陽、と、ムーン:月 だろ?

最初に発表されるべきだったのは、ダークサイド、つまりは月の方だ。

そう、その通り。二枚目のダークサイドから、パパヤとBMCを抜いて、
そして、エレガを、三曲目、つまりはディストーションの後につないでみた。

ああ。判る。去年のダークサイドツアーの構成だ。

そう。それだよ。

で?どう思った。

スムーズだが、完璧なんだが、それだけ、という感じだった。

テンションが必要なんだ。

そう、テンションだ。コンフリクトだ。

コントラディクション:矛盾と、フリクション:軋轢と、アブサード:不条理。

ケイオス?

そう、それだ。
ロックの本質とは、反逆であり、暴動であり、騒乱、つまりは社会性だった。
メタルの本質とは?
メタルの本質とは、狂気。あるいは、そう、CHAOS:カオス、なんだよ。

ただカオスには、不条理と同時に、神としての超越者が必要になるだろ?

メタルがカルト化するのはそれが理由だ。
カオスにはそもそも絶対的な形式が必要になる。

まるでアルベール・カミュの不条理論じゃねえか。

僕は子供の頃からフランツ・カフカが好きだった。
いまでも好きさ。

ロックはカミュで、メタルはカフカだ、
昔そんなことを言ったやつがいたな。

ああ、僕はカミュは好きじゃない。
なんか辟易してしまうんだ。

ミハイル・ブルガーコフじゃなくてか?

THE MASTER&MARGARITA!!
OMG!とネイトが笑った。
大学を卒業して以来、こんな会話をしたのは実に久しぶりだ。

ミック・ジャガーは、と俺は言った。
ミック・ジャガーは、巨匠とマルガリータにヒントを得て、
悪魔を憐れむ歌を、書いたのさ。

つまり人の世の根本は邪悪である、と。

ストーンズの根本はそれさ。
どっちに転んでもいずれにしろろくなものじゃねえ。

ははは、と俺たちは笑った。
人と声を合わせて笑うなんて、どれだけ久しぶりなんだろう。

で、お前、大学の専攻はなんだったんだ?

物理学、と奴は言った。
いまだって金さえあれば、君を月に連れて行くこともできる。

ARCADIA?

そう、メタル・ギャラクシーだ。

パンクは文系、メタルは理系。
パンクは社会学で、メタルは宗教学。

でお前は?

決まってるだろ、と奴は言った。

ボクは、ベビーメタルだ。

ものの三分でジャブの応酬が終わり、そして俺たちは友達になった。




脱線:スピンオフ 「ベビーメタル THE FORUMへの旅」

「注目すべき人々との出会い そのよん ~ 考えるな、感じろ! すぅめたるを極めた男」


サンフランシスコから6時間。
あっという間だったよ。
ずっとずっと、メタル・ギャラクシーを聴いていた。
素晴らしいアルバムだ。
聴けば聴くほどにもっともっと聴きたくなる。
このデジタルファイルをハックしたのはもう2週間も前なんだ。
実はあれからずっと、24時間ずっとずっと聴き続けている。

ネイトは当然のことながらすぅめたるの信奉者だった。

すべてのライブの海賊音源をダウンロードして、
それを音声ファイルにRIPした後に、
それに修正を加えて改めてミックスダウンをやり直す。
その音源を一日中聴き続けている。
ここ数年、それをずっとずっと続けていると言う。

修験者だな、と俺はいった。
ベビーメタルの修験者。

そう、僕達はベビーメタルの修験者なんだよ。
なにも好き嫌いでベビーメタルを聴いている訳ではない。
僕達にとって、ベビーメタルが生きる為に必要なんだ。
ライフライン。
そう、ベビーメタルは水や空気と同じライフラインなんだ。

だれも水や空気の意義や成分など知る必要もないように、
俺たちにはベビーメタルが必要なんだよ。

僕は車に乗っている時間が長いんでね、
仕事をしている時間以外、ほとんどの時間をMACの前か、
それでなかったら車に乗って過ごしている。
車で運転中、ずっとすぅめたるに合わせて歌っているんだ。
すぅめたるの声を、その歌い方をコピーしようとしてね。
おかしいだろ?こんな僕がすぅめたるの歌をコピーしているなんて。
でも、そうやって自分で歌い始めて気づいたんだ。

すぅめたるは、そのライブごとに、そして見事な程に、
つまりは意図的に、その歌い方を変えている。
あるときは弱く、あるときは強く、あるときは長く、あるときは短く。
その息継ぎのタイミングから、その発生方法、その場所から。

つまりはいつもいつも同じことをやっている、ということでもないんだな。

違う。まったく違う。彼女はそれをライブごとに変えていくんだ。
意図的に、実験的に。

そして気づいたんだ。
彼女は完璧を目指している訳じゃないんだよ。
完璧は、真実は、流動的なものなんだ。
その日の気分、あるいはその日の解釈によって、
その歌い方が、まったく違う。
すぅめたるはそういう人だ。
彼女は完璧主義者ではない。
彼女は、チャレンジャーなんだよ。
いつもいつも、変化を繰り返している。
まるで細胞分裂を繰り返しながら増殖を続けているような・・

それこそがカオスだな。

そう、彼女の本質は、カオスなんだ。

つまりは人間の本質だろ?

そう、それを彼女はどういう方法によってか体験的に知っている。
この世に完璧はないんだよ。この世の本質はカオスなんだ。

物理学者らしからぬ発言だが。

なにを言ってるんだ。物理学こそがケイオスだ。
この世界がケイオスだからこそ物理学に意味があるんじゃないか。

で、すぅめたるのケイオス性、
それは本当に彼女が意図したものなのだろうか?

すぅめたるは意図したりしない。
歌そのものが彼女の表現手段なんだ。
彼女は絵を書くように、歌を歌う。
言葉を話すように、歌を歌うんだ。
僕達にとってベビーメタルが水であり空気であるように、
すぅめたるにとって、歌こそが、水であり空気なんだ。
すぅめたるにとって、歌こそが人格そのものなんだよ。
そう言った意味で、彼女は完全なパラノイアだ。
ただ、いつもいつもおんなじ人間なんてありえないだろ?
それは嘘だ。演技だ。
あるいは、自我というものが存在しないロボトミーだ。
自我の本質が不条理である以上は完璧はありえない。
完璧という真理が存在しない以上、
それは流動性の中から導き出し掴み上げるものなんだ。

パフォーミングアートの極意だよな。

すぅはそれを知っているんだよ。
完璧を求めてはいけない。
それはいつも流動的なものなのだ、と。

昨日の完璧が今日の回答ではありえないと。

その通りだよ。
今回のメタル・ギャラクシーにおいて、
すぅと、そしてコバの目指したものはそれなんじゃないかと思っていた。

まるで水面に光る太陽の光を見るように、
絶えず変化を続ける光と影の万華鏡。
ただ、それを完璧という形で固定することは誰にもできないんだ。

音の3D。あるいは4D。
考えても無駄だ、ということか。

そう、思考が目指すものは構築。構築が目指すものは完璧さだ。
そんなものは最初から無いんだよ。そんな嘘に騙されてはいけない。

必要なのは思考ではない。理論ではない。感情でもない。
必要なのは感覚 あるいは、感性。

感性を、彼は敢えて、KANSEI と、日本語の音訳で答えた。

皮肉なことに、と俺はいった。

日本語でいう、感性、つまりは、SENSITIVITYは、
そのまったく同じ、音訳で、完成、つまりは、COMPLETE をも意味してしまうんだ。

感性と、完成がおんなじだって?

いや意味じゃなくて、音が、なんだけどね。

KANSEI と言った時、それは、感性でもあり、完成、でもある。
それをどちらを選択するのから、文脈によって、あるいは、聞き手の判断に委ねられる。

しばらくまるでIPHONEを鼻に擦り付けるように睨みつけていたネイトが、

これのことか、と翳したその画面。

完成 と 感性。 そうその通り。
と同時に、間性:INTERSEX、
陥穽:TRAP 罠:落とし穴 という意味を表すこともできる。

まるで禅:ZENだな。

ああ、まるで禅問答だ。

日本語っていうのはなんて曖昧な言語なんだ。
ダブルミーニングの宝庫じゃないか。
いったい君たちはこんな曖昧な言語でどうやって生活しているんだ?

真実は流動的なんだよ。
あるいは、自由選択なんだ。

実はね、とネイトは言った。

実は、車を走らせながら、ずっとずっとメタル・ギャラクシーを聴いていたろ?
そしたらね、なんだか今日のライブに行く気がなくなって来たんだ。

行く気が無くなってきた?なぜ?

なんというか、そう、このままずっとメタル・ギャラクシーを聴き続けていたかったんだ。

今日のライブ、多分、神バンドは米国ツアーで同行した連中だろ?
だとすると、これまでの北米ツアーのライブで演奏された曲目が中心になる筈。
だとすると・・

だとすると?

つまりなんというか、僕ね、もう、昔のベビーメタルの曲を聴きたくない。
あるいは、昔のベビーメタルの曲を、すぅめたるにはもう歌って欲しくないというか・・

おいおいおい、と俺は言った。

おいおい、ネイト、
それはまさしく、俺がニューヨークからの飛行機の中で感じていたこと、そのものだぜ。

できることなら今日のコンサート、
もう、このメタル・ギャラクシーの曲だけで構成して欲しかった。
それ以外の音楽、それが例え、かつてのベビーメタルのものであったとしても、
もうメタル・ギャラクシー以外の音は聴きたくない、
そんな拒絶反応というよりは、倦厭感というか。

FEDーUP?

ああ。なんというか、昔のベビーメタルの曲を歌うすぅを見たくないな、と思ったんだ。

今日の一曲目は、やはりメギツネだろうか?

俺は多分、RORかな、と思っている。
で、最後にその代わりに、SHINE と そしてアルカディア。

つまりLEGEND-Mと同じ構成、ということか?

僕はそれだったら寧ろ、一曲めにアルカディア。

AWAKENSと同じということか?

ただ、コバメタルがこのTHE FORUM、
米国初のアリーナ公演で、
過去のライブと同じ構成を持ってくるとは思えないがな。

だったら?

だったら・・

いずれにしろ、その一曲目、
それがすべてだ。

ああ、それでコバの考えが判る。それがコバメタルの回答。

つまりは、ベビーメタルの行く末、その方向が、一曲目で判る、ということだな。

そう。その通り。

僕はスタンド席で座って観るつもりだ。

俺はステージの前に詰めるよ。

おいおい、と笑うネイト。
あのモッシュの中にか?馬鹿じゃないのか。殺されるぞ。

いや、なにがあっても、俺はできる限りすぅめたるの近くに居たい。

オーラを浴びたいといことか。

そう、KANSEI のすべてを使ってね。

考えるなよ。感じるんだ。

判ってる。完璧を目指してはいけない。真理いつも流動的なものだからな。

じゃあ、と俺たちは別れた。
メアドも聞かず、連絡先も聞かず。
この注目すべき人々との出会い。
まったくもって、フランツ・カフカのようなやつだったな、と改めて苦笑い。
ってことはユダヤ人だったのだろうか。

旅だよな、と思っていた。
次から次へと、おかしな野郎が姿を現しやがる・・


♪    ♪    ♪    ♪     ♪    ♪    ♪    ♪


脱線:スピンオフ 「ベビーメタル THE FORUMへの旅」

「注目すべき人々との出会い そのご ~ US版KAMI-BANDは本当に良い仕事をした、と語るインディアンの酋長」


という訳で、ご非難は承知の上のここだけの話、
いつものようにその図々しさと小賢しさだけを頼りに、
いかにも場馴れした関係者風情で警備員の目を掠めては、
まんまとVIPの列に紛れ込んでは最前列。
ちょっとこの隙間すいませんね、と割り込んでは、
なんだよこいつ、と由緒正しきVIP様方に睨まれながらも、
まあまあまあ、気にしない気にしないと、
その見るからにふてぶてしくも傍若無人なねずみ小僧風情。

ではあるものの、果たしてこのあまりに広大な会場、その巨大なすり鉢型の空間。
自分自身がいる場所が、いったいどこであるのか、それがどうにも定かではない。
ステージと思しき方向は暗く沈んだままどれだけ目を凝らしてもセットが良く見えてこない。

スタッフの人々はそれぞれが懐中電灯を片手に黙々と作業を進めているのだが、
この位置からだと、奥に引っ込んだドラムがアンプがモニターが扇風機が、
そのステージの全容、その位置関係ががさっぱりと掴めない。

で、改めてステージを囲んだ柵。
そしてなにより、この眼の前に広がる広大な空間。
それがステージ正面から中央まで引かれたレールをコの字方に囲っている。
このグランド・フロアの正面を切り裂いた空虚はいったいなにを意味するのだろうか。
多分、このステージが前方に移動する。
つまりは、この俺達の目の前、その頭上を、ベビーメタルを乗せたステージが移動していく、
ということなのか?

そして見上げる誰もいない客席。その伽藍堂のアリーナ会場。
この席がすべて埋まるなんて、とても信じられないな。
つまりは、あのステージがその先まで張り出した時、
そのすべての観客のその中心、
ベビーメタルはこの会場の、ど真ん中、そのコアに位置することになる。

改めて凄いセットだな。
ただそのステージ正面のレールの部分、
大いなる無駄使い、という気もするが、
そう言えば、このGAのフロアの席よりも、
スタンド席の方が料金が高かった。
それはつまり、そういう理由なのか、と。

ああくそ、であれば、
いまのうちにあっちのスタンド席に移動しておくだろうか・・
ただ、いやいやいや、とすぐに思い返す。
これは罠だ。
ライブにおいては、ステージの前を離れてはいけない。
そう、あのNYCのT5で思い知ったあの大後悔。
そこでなにがあろうと、どんな目に会おうと、
いみじくもそれがライブである以上、
その世界の中心であるステージにできる限り近い場所、
そこから離れてはいけないのである。

なぜ?
あのステージ前の怒涛のモッシュピット。
まるで煮えくり返った魔女の鍋の底のように、
あるいは地獄の洗濯機のように荒れ狂う、
あの怒涛の嵐の只中に揉まれ揉まれながら、
背中を押され肩を小突かれ頭を蹴り上げられ、
なにが悲しくてそんな危ない目に会わなくてはいけないのだ。

ステージの上から座って楽して涼しい顔をして、
ショウをショウとしてゆっくりと落ち着いて観賞すれば良いではないか。

そう、俺ももう良い歳だ。
本来であればそうするべきなのだろう。
それは判っている。判っていながら、
どうしてもどうしても、それを自分に許すことができない。

そんな俺を鼻で笑う、そんな御仁にお伺いしたい。
ライブの意義とは果たしてなにか。

確かに高座のスタンド席から、
観客も合わせて会場全体の雰囲気を楽しみ、というのも確かにある。
ただ、その場合、ステージは愚か観客席さえも傍観してしまうという姿勢は、
その全体の中に自分自身が含まれていない、ということも意味する。
つまりは、エンバイロメントとユニバースの違いという奴。
エンバイロメントとは、自分の目に前の世界のすべて。
そして、ユニバースとは、自分を含めたうえでの世界。
つまりは3Dと4D、あるいは、客観か主観かの禅問答。
その目の前の世界に自分が含まれているかいないのか、
蚊帳の外か中か、ともすれば、それは当事者意識、
その環境に自分自身も含まれることによる影響を客観視しているか、
ぶっちゃけ、自分自身を第三者的視点で捉える力があるのか、
ということにもなって・・・

という訳で、世界を傍観してはいけないのである。
対象を客観視しようとすればするほど
その対象の中に自身が含まれている大原則さえ
忘れてしまうことにもなりうるのだから。
そう、神は内在するのである。
自分自身が神の一部である、その概念こそが大切なのだ。

という訳で、そう、ライブの意義とはなにか。
それはまさに、臨場感。
その臨場感の本質とは、ステージの上との一体感、
強いて言えば、ステージの上の演者たち、
その実体験的疑似体験、なのである。
であれば、ステージに近ければ近い方が良い。
その吐息が汗が鼓動がシンクロするぐらいにまで、
その対象に近づき、そのオーラと一体化すること、
それこそがライブの本質的な意義であろう、と。

ライブを傍観してはいけない。ライブを観察してはいけない。
思い切りその臨場感に浸っては
ともすれば主体そのものに成りきってしまう、
それこそが、ライブの最大の喜びではないのか、と。

という訳で、この見上げるステージ。
いやあ、近い。ものすごく近く感じる。
下手をすれば、これまで参戦してきた小箱からの、
あの手を伸ばせば届きそうな距離よりも、
ここアリーナにおけるステージの方がより近く感じるではないか。

つまりはこの見渡す限りの客席の渓谷。
そのすり鉢の底に位置するこのステージ。
その傾斜が、その圧迫が、背中を押しているということなのか。

そしてそんなステージを囲むコの字方の鉄柵。
その手すりにしがみつくように張り付いたVIPの方々。
その見るからに緊張気味のVIPさんたちに比べて、
その廻りを囲んだねずみ小僧のGA組。
一般向け開場時間までまだだいぶ時間があるというのに、
いったいどういう方法で潜り込んで来るのか、
ひとりふたりと、いつの間にか俺の廻りに、
俺と似たようなねずみ小僧たちが、
一様に、しめしめ、上手くやったぞ、とニヤニヤ笑いを浮かべながら、
え?お前もGA?
そうそう、お前は?あ、俺も、しー、声がでかい。
へへへ、実は俺もGAで・・
え、で、どうやって入ったの?
いや、それが実はこの幸運なことに・・
そう、人はそれぞれの宿命に従って生きている。
情報は共有できるが宿命は個人的なもの。
そんな宿命信者の個人主義者たち。
世界がどうなろうが俺は俺、そんなふてぶてしさに満ちている。

という訳で、そんなちゃっかり者のねずみ小僧たちとの時間潰しのおしゃべり。
目があったとたんにお互い満面の笑みでキツネサインのご挨拶。
で、兄弟、ベビーメタルを知ったのはどんなきっかけから?
どこから来たの?なにをして暮らしているの?
そしてベビーメタルにいったいなにを見ているの?なにを欲しているの?

改めてこのねずみ小僧たち。
まったくもってどいつもこいつも、ろくなものじゃねえ、というか、
そう、ひとり残らず、曲者揃い。

この場の主役はオレだ、と言わんばかりの、
ロックの権化を体現するメタル魔風情から、
生まれてこの方、行列なんてものに並んだことはねえ、
見るからに無法者の鑑と言いたげな全身入れ墨男。
あるいは、はちまきからTシャツから
その身体中にぶら下げた数々のベビーメタルグッズ。
今日のこの日に命を賭けている、そんな殺気さえも漂わせた、
この見るからに筋金入りのベビーメタラー。

嘗てロックがまだ不良の代名詞、
アウトローたちの独断場であった時代、
我こそは世界一の無法者なり、
そんなツワモノたちの坩堝であったこのステージ前。
つまりは、ロックの権化たちの聖域。

で、そんな危険なサンクチュリアに、
何故に俺のようなあおなり:青成風情、
鋲付きのブレスレットも、髑髏模様のメリケンサックも、
どころか、下手をすればその革ジャンのポケットに、
無造作に文庫本なんてものを突っ込んだ、
この見るからに場違いな青也インテリ風情が紛れ込んでいれたのか。

で、お前は?ときかれるこの俺は、
あ、俺?俺、バンドマン。
バンドマン?
ああ、ミュージシャン。こいつら、ダチなんだよ、と。
バックステージの袖から横面見るのもなんなんで、
こうして外界に降りてきてやったんだけどさ、と。
おおおお!
そう、このライブの会場において、本ちゃんのミュージシャンこそは、
特権階級の中の特権階級。
その格好がいかにダサかろうが、その見た目がいかに間が抜けていようが、
どんなに格好キメキメのロック野郎たちも、
このミュージシャン崩れには一目置いた、そんな時代もあったのだ。

という訳で、そんな俺にとって、ステージの目の前こそが当然の特等席。
そう、あの係員にしたって、よっ!と片手を上げては、
あの、ちょっと、のかかる声にも携帯を耳に当てたまま、
ああ、うるせえな、きみ新人?上司の名前は?
だからさ、俺はいいんだよ、
関係者なんだからさ、そんなことも判らないのかよ、と。
と、蝿でも払うように、ちゃちゃちゃ。
そう、それこそがこの元バンドマンの風格というものか。

という訳で、ふと見渡せば、
俺の廻りはそんななんちゃって関係者面の奴ら、
あるいは普段であれば見るからにあまりにお近づきになりたくないタイプの
絵に描いたような無法者風情ばかり。

で、まったくこいつら、と鼻で笑いながら、
まあそう、それもエンバイロメントとユニバース、
そんな奴らに肩を竦めるすくめるこの俺自身も、
実はすっかりそんな迷惑な連中のその一人、その筆頭ということなのか。

とそんな時、ふと俺の隣り、一風変わった妙な風情のその男。
一見してネイティヴ・インディアンの酋長さん、
あるいは、ダイバダッタのインドの修験者かあるいは空手マスターか。
腰まで伸びた長い黒髪に蓄えた黒い髭。
そしてなにより、その眼光鋭き一重の瞳。
世のすべてを見透かし見通し睥睨してきたかのような、
その理知に溢れた深い深い瞳。

やあ、と彼が言った。
いまにも、待たせたね、と言い出しそうな、
そのあまりにも宿命的なまでに親しみやすいその深い深い瞳。
やあ、とこれ見よがしの苦笑いを浮かべては、
ったくもう、と思っていた。
さっきのネイトじゃねえけど、またまた妙な奴に引っ捕まったものだ。
つまりはそう、これは旅。
つまりは宿命が宿命を呼ぶその赤い糸の導くまま、
そして改めてこのベビーメタルのメイトたち、
そんな中の曲者:くせもの比率、そのツワモノ的変人率が凄まじく高い。
で、そんな中でもいかにもいかにもな曲者の権化、のような奴に限って、
目ざとくもこの俺の姿を見つけては、テニスボールを咥えた犬そのものの表情で、
やあ、こんにちは、とその瞳をらんらんと輝かせている、という訳だ。

という訳で、その見るからに曲者風情、
まさに怪人のような異様な風格を湛えた酋長さん。
開口一番、今日はやっぱり、傭兵部隊のようだな、と。
マーセナリーズ:傭兵部隊?
ああ、ほら、さっき上から撮ったたんだよ。ステージの様子。
とその見せられた写真。
ほら、このドラムのシンバルの角度で判るだろ。
今日はアオヤマじゃないな。
アンソニー、つまりはUS版KAMI-BANDの方だ。
あんた、バンドマンなのか?
それには答えず、ギャラクティク・エンパイアの連中も、と続ける。
奴らも随分とおいしい仕事を取ってきたもんだ。
フォーラムだぞ。まじ羨ましいぜ、と。
でも、ドラマーはアメリカ人だろ?
は?とその男。
全員アメリカ人さ。
え?ドラマー以外はスウェーデンじゃなくて?
は?スウェーデン?こいつらが?こいつらみんなアメリカ人さ。
え?
全員が全員が生粋のアメリカ人。
それも筋金入りのプロフェッショナル。
つまりはセッション・ミュージシャンたち。
つまりは米国仕様の傭兵部隊たち。
お前だった知らない訳じゃないだろ?
この妙に間延びしたルーズなビート、いかにもアメリカの音じゃねえか。
ただな、ベビーメタルを完コピできるだけで大したもんだよ。
特にドラムな。
ああ、特にドラム。
アオヤマとどちらが好きだ?
好きか嫌いかと言えば勿論アオヤマだが、大きな違いはベースだろ。
BOHが居るか居ないか。これは凄まじい違いだ。
素人じゃねえんだ。そのぐらいだれだって判る。
彼はギタリストだよ。器用だけどな。だがベーシストじゃない。
ただ、コバは逆にこういう無機的のベースの方が好みなんじゃないのかな。
BOHは神バンドにあってちょっと宝の持ち腐れって気もしてたんだよ。
だがしかし、今回のKAMI-BAND、ドラムは良くやったよ。
アンソニー・バローンって言ったよな。
ああ。奴は練習の鬼だよ。なんてたって、バークレイ出身だからな。
バークレイ?あのドリーム・シアターの?
バークレイ出身のドラマーって言ったら、
オレ的にはジャーニーのスティーブ・スミスの方が好みだけどな。
判るだろ。
このKAMI-BANDの中にあって、
このアンソニー・バローンだけは別格だよ。
彼は純正のサラブレッドだ。
そのプライドに賭けてツアーが始まってから意地になってデジ音源を完コピしたんだろう。
ああ、オルランドウのデビューからニューヨークまで、
日に日に変わっていった、凄まじいばかりの学習能力だ。
生真面目なのさ、と。
彼はとてもとても生真面目な男なんだ。それが彼の唯一絶対の武器だ。
彼は伸びるよ。ドラマーとしてミュージシャンとして。
という訳で、このFORUMはこのKAMI-BANDにとって大きなご褒美だよ。
ポートフォリオにFORUMの名前があるってのはとてつもない売りだしな。
まったく羨ましい限りだ。
ってことは、ヨーロッパ・ツアーはもしかするとサバトンかもな。
サバトン?SABATONが欧州版のKAMI-BAND?
考えられないことじゃないだろ。彼らならできるさ。
ただもしかするとドラムだけはこのアンソニーを連れてくるかもしれない。
お前もそう思うだろ?
彼はこのKAMI-BANDで本当に良い仕事をしたよ。
あの性格だから日本からのスタッフにも好評だっただろ。
そのうち、日本で引っ張りダコになるんじゃないのか?

という訳で、あいも変わらず繰り返されるこの注目すべき人々との出会い。
ものの三分でジャブの応酬が終わり、そして俺たちは友達になった。



脱線:スピンオフ 「ベビーメタル THE FORUMへの旅」

「注目すべき人々との出会い そのろく ~ ベビーメタルのFORUMはスカスカであった、と抜かしたアフォどもへの、怪人酋長からのご回答」


とまあそうこうするうちにふとすれば
開場の6時半を過ぎたのだろう、いつの間にか俺たちの背後、
見渡す限りに人がギチギチ。
ただそう、それがアリーナということなのだろうが、
これまでに参加してきた小箱に比べてその圧縮が緩い。
ともすればそんな人垣の向こう、
ドアの近辺にはまだまだスカスカに余裕があるではないか、と。
そう言えば、あの小箱のライブハウスにおいては、
ライブが始まる前からTシャツ一枚でも全身汗びっしょり。
思わずいつ酸欠でぶっ倒れるか気が気ではなかったその筈が、
さすがというかなんというかこのフォーラム、
これだけの人々に囲まれながら、熱気ムンムンどころか、
ともすれば、その効きすぎるエアコンの風に煽られてちょっと肌寒くさえある。
そして見上げた会場のスタンド席。
そこそこに埋まってきている、とは言うものの、
そこかしこに開いた席、そのぽつりぽつりとした空席が、
なぜか妙に気になる。妙に妙に、目障りなのだ。
時間を見ればすでに7時。

そしてなによりこの見上げた観客席。
その一番の特等席の右と左。
この移動ステージが会場の中央に迫り出した時、
まさにその正面にあたるであろうその真正面の席、
その一番目立つ一角がこともあろうにそこだけ四角く切り取られたまま、
いつになっても客の座る気配が見えない。
既にDJセットの時間を過ぎて、歓声がざわめきに変わり、
そして9時を前にして俄に漂い始めた不穏な緊張感の中にあってさえ、
そのぽっかりと開いた空白がやけに目立つ。あまりにも目立ちすぎる。

あれ、一体なんだろうな。

多分、と思っていた。
多分あの一角はどこぞのコーポレート・スポンサー。
あるいは、ともすれば日本からのツアーの御一行。
例の台風直撃に祟られてその出発が遅れたのか、
あるいはどこぞのオプショナルツアーに騙されて、
間の抜けたディナーでも食べていたのか。

ただ、あのあまりにも無残な空白。
他ならぬすぅと最愛、
ステージが始まって喜び勇んで駆け上がったステージから、
その目の前にいきなりあんな空白を見せられた日には・・

あんなものは、すぅには最愛には見せられない。
絶対に絶対に、見せてはいけない!

という訳で、俄な焦燥に駆られながら、
なあ、ととなりの酋長さんに声をかける。

なあ、今夜のSHOWはSOLDOUTと聞いていたが、
既に開場後ってのに、なんとなく空席が目立つよな、と。

は?SOLDOUT?と笑う酋長さん。
まあなにを指してSOLDOUTというかどうかは別として、
まあ、LAでのライブって言ったらいつもこんなもんだよ、と。

え?どういう意味?
つまりはまあ、ここは西海岸さ。
みんなのんびりしてるのさ、と。

だってほら、今日は金曜の夜だろ?
やれ道が混んでた、なんてのはLAっ子の遅刻の言い訳の常套手段でさ、
ライブの前に友達と待ち合わせたバーで飲みすぎちゃって、やら、
ちょっとその前に飯でも食ってく?なんて感じで長いしちゃって、とか、
駐車場で草でも吸ってるうちにいつのまにかライブは終わってた、やらさ。
そう、LAってそんな場所なのさ。
誰もガッツイてない。誰も急いでいない。誰も焦っていない。
風の向くまま気の向くまま。
この街に落ち着くのはそんな奴らばっかりさ。

それになにより、ロックだろ?
これまでも悪しき伝統というか、
普通、ロックのライブで、時間通りに始まったことなんかなかったじゃねえか。
ガンズなんか下手すれば開演時間3時間を経ってもなにも始まらなかったしよ。
ロックなんざそんなものだろが、と。

だからこのベビーメタル。
なにもかもが予定通り時間通りなんて、ここLAじゃそっちの方が珍しい。
という訳で、今日のライブもその殆どの奴らが、
開演時間を疾うに過ぎてからのこのこやってくる、そういうことになるのさ。
改めてそういうことかよ、と。
でまあ、お前も知らない訳じゃないだろうが、
最近の転売サイト、つまりはダフ屋、な。
チケット売出しと同時に大量に買い付けて、
で、1枚のチケットを10倍で売りつけては残りは直前になって大放出。
完売した筈のスタジアムがいざ蓋を開けてみればガラガラのスカスカ、
最近はそんなばかりだぜ、と。

そもそもな、このFORUMでSOLDOUTなんて話は聞いたことがねえよ、と。
しかも、グランドフロアはオールスタンディングなんだぜ。
ライブハウスじゃあるまいし。
この会場は通常はグランドフロアでも椅子を並べてるんだよ。
昔はそうだっただろ?
ステージ前にずらりと墓石みたいに椅子を並べてさ。
係員から椅子の上に立たないでくださいなんて言われてただろ?
こんな会場で、グランドフロアをオールスタンディングにしては、
イワシの缶詰みたいにギチギチにするってことからしてはなから想定外。
それに加えて二階席を開けるなんざ正気の沙汰じゃねえって訳でよ、
このベビーメタルのマネージメント、いったいどこまで強気なんだよ、と。
つまりはベビーメタルはそこまでの集客力があるって見込まれてんだよ。
それを見込まれた上でダメ元の全席解放。
なので全部の席が埋まらないのは言ってみれば想定内。
だからまあ心配するなって。
見てろあの席が、開演予定時間、つまりは9時を過ぎてからいっぱいになる筈だ。
なぜ?
だってほら、観ろよ、あの御大層なカメラ。
つまりはテレビで、そして後々はDVDでの発売も予定されている訳だろ、と。
見栄えの悪いあのパッチ部分は、きっと天井席を買った奴らが降ろされて来るか、
それでもなければ、
なければ?
つまりはそう、どこぞの間の抜けたツアーの団体さんたちが、
間に合った間に合ったと開演直前になって押しかけて来るんじゃねえのか?
ってことで、いずれにしろこのショウはSOLDOUTってことに間違いはない。
見てろ、いまはまだスカスカの会場が、
一曲一曲と進むうちに鮨詰めの満員になる。
そう、LAのライブってのはそんなものなんだよ。
だからまあ、心配は要らねえってことでさ。
ほらみろよ、と背後の人々。
こんなバカでかい会場をオールスタンディングにして、
しかもこれだけの客を集めてるんだ。
ベビーメタルってのは本当に凄い。
最近のバンドでここまで客を集められるバンドはそうざらに居るもんじゃない。
それがベビーメタルがこれだけありがたがられるその理由なんだよ。

改めて、と、その怪人酋長。
モートリーからガンズからメタリカから
90年代のロックの覇者たち、
ただな、あいつらのやった最悪の犯罪は、
てめえらで好き放題にぼったくるばっかりで、
その後継者を育てようなんて気は更々なかった。
その結果がこれだよ。
一握りのスタジアム級の大御所を除いては、
もう誰もロックなんてものに鼻もひっかけねえ。
ガンズの後に残ったバンドなんて、
グリーン・デイやらBLINK182やらとそれぐらいなものだろ。
美味しいところはみんなあの爺いどもに持っていかれちまった。
近頃のガキはもうロックなんてものにはなにひとつとして期待はしていない。
終わっていたんだよ、ロックは、既に。息の根を停められていたんだよ。
その空白を見事に総取りしようってのがこのベビーメタルだよ。
言うなれば隙間産業。
いまに見ていろ。
KPOPやらアリアナ・グランデやらに黄色い声をあげているローティーンのガキどもが、
ひとたびこのベビーメタルの凄さに気がついた時。
ロックコンサートにまたガキどもが押し寄せてくる、
そう、ベビーメタルはそれを期待されているんだよ。
このバンドには、このバンドにだけは、ポテンシャルがある。
既に死に体となったロックそのものを蘇らせる救世主。
オレがベビーメタルに期待しているのはまさにそれなのさ。
ロックの蘇生か?
そう、音楽を、本当の音楽を、俺達の手に取り戻すのさ。
ベビーメタルにはそれができる。
ベビーメタルにしか、それはできない!
オレが言っているのはそういうことさ。

という訳で、その怪人酋長の予言通り、
開演時間の9時を過ぎた時点で、
いつの間にか魔法のように埋まっていたその空白、
そのミッシング・ピース。

そらなと、顎をしゃくってはウィンクをする怪人酋長。
そしてミッシング・ピースが埋まった会場。
まさに鮨詰め。その正真正銘のSOLDOUTショウ。

さあ始まるぜ、とインディアン氏。

ついについに、ベビーメタルのその一世一代の晴れ舞台。
2019年10月11日 BABYMETAL THE FORUM
その瞬間に向けて、ついについにその秒読みが始まった。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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