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2002年2月 アメリカの田舎ドライブ旅行 ~ 「二十四時間ハードロック天国 その四」 ~前回の続き~  

Posted by 高見鈴虫 on 26.2006 アメリカ爺時事   0 comments   0 trackback
 ~前回の続き~

ああ、という訳で、すっかり流れ者気分。

ご存知のように昔から腰の落ち着かないガキで、
中学の1年目ぐらいから、
ほとんどまともに一時間も授業なんて受けたことなかったのが、
まあことの年になってもそういうことだっていうのは、
もうこの落ち着きの無さこそは天性のものだね。

もともとミュージシャンになるよりもバンドマンになりたい、
と思っていたのも、バンドマンはライブをやりながら、
旅に出れるからで、
今はもうライブはなくなってしまったけど、
それなりに旅が続けられるってのは、割といいな、
とちょっと思っています。

ただね、夜中に誰一人として知らない、
もうこの世の果てみたいな田舎町のモーテル、
安い毛布のヤニの匂いが鼻について寝付けなくて、
んで、寝静まった墓場町から、
街道沿いの外れにある掘建て小屋みたいなトップレスバーに出かけてさ。
隅のテーブルに隠れるようにして座って、
で、ウェイトレスに1ドル渡して、
また性懲りもなくガンズとSTPとSRVをリクエストして、
なんてことやったりするんだけどさ。

俺のリクエスト、いきなり水を得た魚みたいに張り切って踊り始めたねえちゃんに、
ヒューヒューなんて気のない声援送りながら、
ああ、俺っていったいなにものなんだろうな、
なんてふと思ったりもしてさ。

もうミュージシャンでもゲージツカでもサラリーマンですらなくて。
ニホンジンでもアメリカンでもヌーヨーカーでもなくて。
おお、この見事な根無し草ぶりはいったいなんだんだ、ってさ。
確かに昔はあれほどヒッピーというかホーボーと言うか、
そんな根無し草みたいな人生に憧れていたりした時期もあったんだけど、
或いは反抗とか破壊とか暴力と反社会やら真実やらに
こだわってみたかった時期もあったんだけど、
それってさ、
なんか今になってすごく不思議な気がして。
なんでそんなことにこだわったのかな、なんてさ。
んでね、あれ、俺も歳なのかな、なんて思ってたんだけどさ。
ガンズをリクエストしたとたんに、
店の一番隅の、いかにももてなそうな剥げのおっさん達が
やたらとはしゃぎ始めたりするのを見るとさ、
ああ、ROCKはもう10年も前に死んでたんだな、
って事実をこれでもかってぐらいに思い知らされてさ。

んでね、
考えてみると俺がこれまでやってきた七転八倒の道草ってのは、
みんな、ROCKの美学から始まったことなだよね。
それで今になって
これだけROCKと言うものが、見事に茶番化してしまうとさ、
なんかROCKを聞いたり、
或いはROCKが好きって面するのも恥ずかしくなってきて、
んで、ROCKを恥じてしまっている俺っていったいなんなの?
ROCKがこの世になくなってしまったら、俺のやってきたことって、いったいなん
なの?
って心底思ってしまうのだよね。

最近会社に入ってきた20歳の女の子なんて、ビートルズ知らないし、
ちょっと気にいった子に聞いてみたりすると、
決まってロックなんて聴いたこともない、
って言うしさ。
まあね、この間のライブとかでも思ったけど、
やってる俺達も、来ている客も、
いかにもどうしようもない、誰からも相手にされない
ダサ男って感じの奴らばかりで、
ああこの音楽ではもう人を惹き付けることなんかできないのかな、
なんて、無茶苦茶に打ちのめされた気になったんだけどさ。

んな訳で、
誰をも気にせず思い切りROCKの聞けるのは、
じつは田舎のフリーウエーの上だけ。
つまり、次の出張が待ち遠しいばかりなんだけどさ。

そのうちクラッシック・ロックで、ガンズやらSTPやらがガンガンかかったりする
と、
なんかもう、世の中に完全に取り残されてしまったような気分になるだろうな、
なんてちょっと怖い気がする。

オンタリオの牧場の中をぶっとばしながら、
そう言えば、昔、
あの子がよく手紙の最後にKEEP YOUR ROCKIN' なんて書いてたな、
そう言えば、あいつは必ず、BOOGIE WOOGIE BABY! ってサインしてたな。
そうそう、俺はいつも、ROCK'N'ROLL SUICIDE!って書いてたんだ、
なんて、
思い出して、思わず笑い出してしまった。

という訳で、冬のNYC。
まだまだ春は遠からじ。
今年の冬はなんか寒い訳でもなくかと言って雪も降らず、
ぼんやりとした日が続いています。

なんかうわさによると来週末からまたまた出張、
って言われたような気がするんだけど、
また例によってどこに行くのかなにをやるのかも聞いていない。

まあね自分から希望したコントラクター。
なるべくしてなった流れ者。

ここまで来るともう好きなようにしてくれよ、としか言えないよね。
またまたハードロック聞きながら一日中車乗ってるだけなら、
いくらでもやっててやるよって感じ。
40近くなってなってから、
仕事?ああ、ハードロック聞くこと、
ってのも割といいんじゃないかな、て気がする。

長くなってごめんね。
なんか鬱病旅日記みたくなってしまったね。


ではでは、春になったらまた書くね。
その頃にはどこに飛ばされているのやら。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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