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マジソンスクエアガーデンでラルク・アンシェルを見た。

Posted by 高見鈴虫 on 26.2012 音楽ねた
マジソンスクエアガーデンでラルク・アンシェルを見た。

またいつもの奴でいきなり大量のタダ券が舞い込んで来た(押し付けられた)わけなのだが、
いや、いらない、いらないから、と断り続けても、
なんだかんだで4枚も押し付けられてしまった訳だが、
日曜の夜に日本のロックバンド?
あんまり気が惹かねえな、という予想通り、
やはり誰もどうしても予定が立たず、
ただただ途方に暮れるばかり。

おまけに当日ひょんなことからかみさんと喧嘩になり、
あたし行かない、と言われてやれやれ。
結局、ひとりで見に行くことになった。

で、そう、
断っておくが、俺はラルク・アンシェルの曲を一曲も知らない。
一曲もだ。
たった一曲も知らないわけだ。

が、

ハイド君は数年前のVAMPS!
あのIRVINE PLAZAの超絶ライブやら、
ROSELANDも見てる訳で、
正直、VAMPSだったら大歓迎。

もしかして、あのSEX!BLOOD! ROCK'N'ROLL!がマディソンスクエアに響き渡るのか!
とそれだけが楽しみで、
日曜の夜に一人でロック・コンサート?とは思いながらも、
着古しのモッズコートのポケットに文庫本を突っ込んで出かけた訳だ。




という訳で、ラルクアンシェルだ。

前述のように米国在住の俺はラルクなんたらというバンドの音をなにも知らない。

そう、一曲も知らない、というのは、ブラインド・デートというよりも、
予習もせずにスワヒリ語の授業を受けるようなもので、
予備知識、というか、バックボーンというか、
つまりは、刷り込みがなにもない状態だと、
よほど親切丁寧にやってもらわないと、
はっきり言ってなにがなんだか判らない。

そう、知っている人にとっては当然なことであるのだろうが、
このラルクアンシェル。
まえにハイドくんを観たあのVAMSとはかなり違う。
というか雲泥というか、正直、れれれ、どうしちゃったの?と。

なんかムード歌謡、というか、演歌オペラに、
ガレージバンドがふざけて伴奏をつけてみました、
という感じで、
率直に言えば、まさに、ド素人、というか、
まあ、とても文化祭的、というか、そう、そんな感じに見えた。

改めて、この壮絶な肩透かし。

あれえ、ハイド君、IRVINGPLAZAの時は無茶苦茶格好よかったのに、
どうしちゃったのか、
とも思ったが、
隣りのジャパニメファンのアジア系女子に言わせると、
VAMPSとラルクではそもそもジャンルが違うのだそうだ。

つまり、ラルクは、ビジュアル系メタルでも、ハードロックとも違って、
ニューロマンチック、なのだそうだ。

ふむふむ、まあ確かにムード歌謡のようではあるが、
まあつまりは、テレビ向けってことなんだね、と、勝手に納得。

で、後ろのゴス系の白人集団。
始まってから終わるまで始終無言。
演奏開始までのテンションの高さと打って変わって、
まったくの無言。無反応。一言の言葉も拍手もなく、
まるで仏像のように固まったまま。
そして演奏の終わるのを待たずに、
一言も発することなく帰って行った。

その隣り、アメリカ人のボーイフレンドを連れてきたカップル達も微妙な雰囲気。
あくびをかみ殺したボーイフレンドが飲み物でも?お腹すかない?チップスでも買ってくる?
とか変に気を使っていて可愛かったのだが、
VAMPSの乗り乗りライブで思わずブチ切れて、トイレでそのままやっちまったぜ~!
なんてのを期待しいたのであれば、このラルクアンシェル、そんな熱い二人に水をぶっかけて、
喧嘩別れさせるには十分すぎるほどの圧迫感を持っていたようには思う。

という訳で、このラルクアンシェル、
前評判では。東京、あるいは、アジアを席捲したビジュアル系のスーパーバンド、
じゃなかった、ニューロマンチック、であった筈なのだが・・・
正直、ここニューヨークではかなり微妙な反応でであった訳だ。

いや、しかし、百歩下がって、俺のせいだろう、と。
つまりは、あんなスカスカのスタジアム席で見たらなにを見たってつまらなかった筈、とは思える。
やっぱコンサートは、舞台の袖から見上げなくっちゃな、と思う。

ステージに肉薄しないのではありがたみがない、というか、
そう、スタンド席からだと、ついつい、ステージと、そして前列の乗りのりの人々を、「傍観」してしまう訳で、
まるですべてが風景画。馬鹿かこいつら、と思えて来てしまうわけだ。

加えてそう、今回のように超売れ残りのギグ。
数週間も前から、このチケットお願いだから回りに配って、とお願いされた訳だが、
よくよく聴いてみれば俺の回りの奴らのところにはひとり残らずそんな「お願い」がいっていた訳で、
安請け合いしたチケットの束がジャパレスのカウンターに置き忘れられていたり、とまあ末期的な状況、
という噂は兼ねてから聞いていた。
が、そう、あのVAMPSのハイド君である。
しかも日本のロックの晴れ舞台である。
応援してあげたいのは山々、である訳なのだが、
がしかし、世界の現実はやはり厳しい。
結果、まさに、ガランガラン、の薄ら寒くなるようなスタンド席。
自分の席に座ってるがバカらしくなるぐらい、まるでどこもかしこもが自由席状態。

こんなことになるのであれば、IRVIN PLAZAとは言わなくても、
やっぱり、ROSELAND,やら、TERMINAL-5程度で良かったんじゃない?
とも思うのだが、
やはりそう、俺らの世代って、やっぱロックはマディソンスクエアな訳でさ。

かつてあのストーンズやらZEPやらが歴史的なライブを演ったまあ行ってみればロックの殿堂、
つまりは、ロックの最高峰、な訳であって、
俺もガキの頃には、ロックやる以上はいつかはマディソンスクエアで演るつもりだぜ!
なんてことをがなっていたまさにロックを象徴するステージ。

なので、まあ、そう、お上りさんの日本人。
その気負いはとてもよく判るんだけどね、と。

ただ、うーん、なんというか、そう、

ここ、この同じステージで、これまで、
それこそ、ストーンズやら、プリンスやら、マドンナからレディガから、を、
数え切れないぐらいに、それも割と「普通」に観てきているニューヨーカーたちにとって、
このいきなり降って湧いたような日本のロック、じゃなかったニューロマンティックのバンド。

がしかし・・・
うーん、で、この子たち、結局、なんなの?
って感じで、そうつまり、なんというか、
まあこう言ってしまうとあまりにも心もとないのではあるが、
そんな、伝説的な大御所、と肩を並べるには、
このラルクアンシェル、あまりにも、なんというか、器が小さすぎた。

そう、つまりは知名度だろ?と。

つまり、勉強不足であった、ってのが一番の原因じゃないのか?
だから、バンドのせいじゃないだろ?という声も聞かれたのではあるが、
でもそれを言ってみたら、VAMPSだってなにも知らずにあの鮨詰めのIRVIN PLAZAに放りこまれて、
いきなりの大騒ぎ。酸欠になりそうなぐらいにもみくちゃ。

げげげげ、日本のバンドでこんなすげえバンドがあったのか!
と思わずあのハイドくんの姿に後光が射しては、
涙がでるぐらいに感動したものなのだが。

という訳で、そう、そんな晴れ姿を予想していた俺的には、
このあまりにも閑散としたラルクのステージ。
とても悲しい、というか、
まあ、そう、繰り返すが知名度、あるいは、まあ勉強不足ではあるのだが、
正直、訳が判らなかった。

というか、
まあ、そう、ぶっちゃけ、そのラルクのニューロマンティックなるもの。
アジアだよなああ、と感じた訳だ。

で、そんななにも刷り込みされていない浦島的な感想としては、
俺に言わせるところ、まずこれって、ロックな訳?である訳だ。

ロック、
つまり、ストーンズやら、ガンズやら、
あるいはそう、VAMPSやら、X-JAPANやら、
よりはむしろ、
以前、アトランティックシティーの大広間で見た、というより迷い込んでしまった、
香港のスーパースター、つまりは、香港の北島三郎、のような人の超熱狂民謡ライブ、
に近いものを感じてしまったわけで。

つまり、そう、ラルクも、強烈にアジアの音、に聴こえてしまった訳だな。

少なくとも、ドラム的に言えば、
あれえ、この人、もしかして体調不良?というか、発育不良?というぐらいに、
ロックやら、あるいは、ドラム、という楽器の美学からは、
あまりにもかけ離れ過ぎた印象があって、
つまりなんといか、か弱い、のであった。

まあ、スタジオ漬になっている最近のデジタルな人ってのは大抵こんな感じなのかもしれないが、
すくなくとも、そう、マジソン・スクエアの大ステージでダイナマイトみたいな音でドラムをぶっ飛ばす!
なんて本来のイメージがまるで悪い冗談のように、
つまりは、徹底的にパワー不足、というか、正直、なにもかもが細すぎ小さすぎか弱すぎ、
という印象であった訳だ。

という訳で、コンサートの最中、
音楽のパワーっていったいなんだろうな、とつくづく考えてしまった。

アンプの音を上げればよい、というものでもないのは判っている。
悪戯に力を入れても、音なんか出ないのも承知の上。
ただ、むきになってツーバスでドカドカやればやるほどに低音がベタになってアタックがなくなってしまうし、
スネアの音数を増やせば増やすほどにそれは軽く間延びして脈絡を失う。
それに加えてハイハットをきれいに粒をそろえて8分で打てば打つほどに、
それはまるで取りとめもなくなって散らばってしまうし、
あげくにシークエンサー、或いは、エコーに絡んで、まるっきりはちゃちゃにとっちらかってしまう。

俺は以前から、ラルクのドラムは技巧派で、日本のトップレベル、
と聞いていたのだが、思わず、ええええっ!?である。
あんなスティック幅5センチで、手首がまったく返ってなくて肘を揺らすどころか、
肩から下はギブスで固められたみたいに微動だにせず。
おまけに、ツインのバスドラのベタ打ちがひっかかりまくり。
8ビートをやっても4分にアクセントが来てないから裏が入らず、
つまりは、乗れず踊れず。
かと言って16分をやっても、フラムもルーディメントもないから、音にバリエーションが加わらず。

ついでに言えば、ギターのカッティングはなにも聴こえず、
ベースはただぼわーんと広がるばかりでただの地鳴り状態。
からんからんの天井いっぱいにハイド君の歌声ばかりが朗々と響けど、
うーん、確かに声は良いんだけど、歌詞がまったく聞き取れない。

え?でもこれ英語?いやいや、日本語だろ?
ならなんで俺が日本語を聞き取れない訳?

つまり、その歌詞がいったいなにを言おうとしてるのか、まったく判らない。
歌が伝わってこない、というか、言葉になっていない、というか、
つまりはそう、空回り、という訳で。

あらためて、これが日本のTOPBAND?
えええ、嘘だろ?
だって、日本にはもっともっと凄い奴らいくらでもいるでしょ?
と耳を疑ってしまったわけで。

だからと言ってこのバンドに、
ジョン・ボーナムやらチャーリー・ワッツがやったらもっと凄かったのか、
とは言えないのだが、
少なくとも、うーん、言わせて貰えば、
これだけ知名度もなく事前情報もない観客を相手にする以上は、
まあお題目的にももうちょっと判りやすいバンド、
つまり、コンセプトがもうちょっと見やすい、理解しやすいバンドというか、
ぶっちゃけ、
VAMPS、あるいは、そう、あのX-JAPANであったとしたら、
少なくとも俺の周りにいた外人連中としては、
そのほうがずっとずっと喜んだのではないか、と思うわけだ。

とまあ、という訳で、そう、予習をしていなかった俺たちが一番悪い訳なのだが、
正直、ごめんなさい、あんまり面白くなかったです。

が、そう、がしかし、
俺の言いたいのはそんなことじゃない。

ニホンジンがついに、ロックの殿堂マジソンスクエアでやった!
そのことだけでも、うれしいねえ、感無量だ、
で、いいじゃないか、と。

ただ、そう、大リーグも、サッカーも、
日本の選手がどんどん海外で活躍できるようになっているこの21世紀。
日本のミュージシャンにもどんどん世界のステージが広がっている。

ただ、そう、そんな記念すべき日本のロックの初檜舞台。

それがしかし、なぜよりによってこのアジアン・ムード歌謡ガレージバンド、
でなくてはならなかったのか。。

そうできれば、そう、できることなら、って無理なことは判っているが、

俺が少年時代あれほどこころを振るわせた日本のロック、
E.YAZAWAやら、萩原健一やら、RCから、ピンククラウドからマキオズからを、
このニューヨーカーたちに見せたかったなあ、と、
おじさんはいまになってそう思っていたのでした。

がしかし、
繰り返す。
これで日本のロックがついにロックの最高峰・マジソン・スクエアに到達、
その初めての足あとはしっかりとこのニューヨークに刻まれた。

その先陣を切ったハイドくん、本当の本当にお疲れ様でした。
そして、心の底から、ありがとう、と言いたい。

見かけは可愛いけど、ハイドくんは本当に、素敵な、そして、格好良い、
まsない、男の中の男だ、と思う。

このハイドくんの、可愛い顔した糞度胸がなければ、この偉大なる一歩も誰も踏み出せなかったに違いない。

なのでできれば、そう、できることならば、東京だ大阪だ、ビジュアルだ、ニューロマンティックだ、
なんて日本ドメスティックのちんけな意地の張り合いはひとまずおいておいて、

VAMPSから、X_JAPANから、ルナシーから、
日本のビジュアル系ロックバンドとコミック・コンがコラボしては、
ジャパニメ・カルチャーの集大成、みたいなのをぶち上げれば、
それこそ、ニューヨークどころか、全米、強いては世界中から、
大挙としてコスプレ系のジャパニメ・フリークスたちが一大集合するんじゃないか、
と思うわけなのだがなあ。

マジソン・スクエアだ、ジャイアント・スタジアムだ、なんて言わない。
あのセントラルパークに、40万人のコスプレマニアが溢れかえる、
なんて、すっごい風景だと思うのだがどう思う?

という訳で、頑張れ、日本のロック!と改めて声を大にして言いたい。


プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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