Loading…

ちいさなあやまち

Posted by 高見鈴虫 on 25.2006 日々之戯言(ヒビノタワゴト)   0 comments   0 trackback
ちいさなあやまち

古くは電車のキセル、
あるいは、偽造定期。

駅前で仲間と待ち合わせ、
あれ、パーティ行くのに金がないや、
というときに、半年ぶりにばったり出くわした元同級生、
ちょっと悪いんだけど、金貸してくれない、明日返すから、
なんて。
半年振りに会ったやつに明日も駅でばったり逢える物か、
まあいい。いつかは返す、そのつもり。
がつもりつもって、いつしか、立派なかつ上げ常習犯。
まあいい、いつかは返す、と、そのつもりはあったということだけは、
心の中にしまっておこう。

なんて、
そう、それの延長か、
外回りの時には、一駅二駅ならさっさと歩いてしまって
でも会社にはしっかりと往復分の地下鉄代を請求したり、
或いは、
タクシー代、
はーい、チップも入れとくから、
だから頼むから領収書、なにも書かないでね、なんて。
ともすると、
交差点で客待ちのタクシー呼び止めて、
脅してすかして更の領収書一枚1000円で買ったり。

うん、このぐらいなら誰でもやる、かな、なんて。

で、
取引先と飯食って、まあまあ、今回はこちらが、
と言いながら、しっかり領収書、貰っていたり。
そう、接待も仕事のうち、なのに残業手当も出ないんだから、なんて。

で、これが発展すると、
同じ手で、でも相手は、女・・・ 
どうだ、いい店だろう、高いんだぞ、俺は金持ちなんだ、
なんて、ちゃっかり。

うん、でも、このぐらいならまあ、ご愛嬌。
誰でもやる、かな、なんて。

で、

これがますます歯止めがきかなくなると、

おんな、とっかえひっかえ、
しかも、取引先の女、おお、それも接待、仕事のうちか、
なんて、
まあね、でも、それもたしかに、うん、目を瞑ろうか、とか、

下手をすると、
本気の女と行った深夜のファミレス代、実はここでも領収書。
しかも支払いは日曜の夜。あのなあ、と。
これは相当にみっともない。
が、まあいいか、いつも苦労させてるし、なんて。

うーん、ここまでくるとだんだんあまり、
なんだけど、
もうその頃にはもう仕事も自分もなんにもなくて、

そのうち、久しぶりに友達と飲みに行っても、
で、やっぱり割り勘で、と言いながら、
勘定頼んだとたんに領収書の毟りあい。
破れちゃったんでもう一枚ください、とかいいながら、
しっかり山分け。

それがほら、カードになんてなったりすると、
この会食が、実はもうもうもろに現金収入。
実はしかし、これがわりとおいしい。
キャッシュを下ろす必要もなくなったり、して。

で、ついついこれが毎週、とかになると、
それが、いつしか三日おき、とかになると、
なんか実は、割と、相当に儲かったりして。

で、
毎晩、当然のように飲みにいって、
建前はそこで取引先と待ち合わせ、
或いは、気長に待ち伏せ。
で、その間に、おんな、口説いて、で、二軒目、三軒目、
いいよいいよ、俺のおごり、でも悪いわね、
いいからいいから、とそのままちゃっかり頂いちゃって、
実は会社の金なんだ、知ってたわよそんなこと、なんて。
おお、これもボーナスか。
なんて。
ともすると、いつしかそれが日常化。
酒も女も下の世話まで全て全てが会社に依存状態。

いつしか24時間、仕事状態。
いつしか、24時間、会社のカード。
机の中は領収書の山。

そんな私を、他人は、やりて社員、と言ったもので。
でもそういいながら、
先輩はそれでベンツを買って、
上司はそれでマンションを買って、
とやっていたから、
ちょっと太ったな、ぐらい、全然全然。

はい、これが会社に入って一年目、のこと。

あのまま行ったらどうなっていたことか、と思っていたけど、
そうこうするうちにバブルが弾けて会社は倒産
そうやって日本も倒産。

全ては相乗効果、だったのですね。

同じ過ちを繰り返さないように、
みなさん、
こんどこそ、
明瞭会計で行きましょう。


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://shumatsuwotohnisugit.blog.fc2.com/tb.php/645-6a059230

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

月別アーカイブ

検索フォーム