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うちゅうごくじん

Posted by 高見鈴虫 on 23.2006 旅の言葉   0 comments   0 trackback
今は昔、お友達から聞きかじった話。

通っていたアリゾナの大学に、
短期的に中国からの留学生が一挙に送りこまれて来たことがあったのだが、
正直いってあの時期、
学校どころか、町中がちょっとした大混乱をきたしたものだ。

授業の最中、静まりかえった教室で、
いきなりブリッと音を立てておならをする女子学生、
を手始めに、
試合中のテニスコートを横切りながらフン、と手鼻をかむ青年
顔をつき合わせながらげぇぇぷ、と大きなゲップをする少女
カフェテリアで盛られたばかりの料理に
顔をつきつけて匂いを嗅ぐや、
いきなりぺっと唾を吐いて着き返してみせたり、
ドミのトイレはどれも糞だらけ、
夏だと言うのに風呂にも入らず、
コップの水を浴びた体をベットのシーツでごしごし擦ったり、
床は水浸し、部屋中がごみだらけ、
で、掃除婦がまだ来ない、と苦情の電話を入れ来て、
街で唯一の寿司食い放題が売りの日本食屋に
大挙として押し寄せては、
頼んだ寿司のネタだけ剥がしてシャリのピラミッドを作り上げ、
店の人が溜まらず文句を言うと、
何が悪い、どこに書いてある、貴様こそ失礼だ、
と食い残しの巻物を掴んで投げつけるう始末。
ついには深夜の喫茶室で、
缶詰を丸ごと電子レンジで温めて爆発騒ぎ。
と、
なにかにつけてあまりにぶっ飛びすぎた中国人留学生。

挙句の果てに、
どこで覚えたのかレンタカーを借りてきたが最後、
信号は無視する、パトカーの制止は無視する、
サイレンを鳴らされて追いつかれ、
免許証を求めた警察官に、
歯茎を剥きだしてこの世も終わりとばかりに罵倒を始める始末。

任意同行を求められた警察署無いから、
中国大使館を呼べの一点張りであわや大立ち周り。

短髪痩身に仮面のような顔をした子供たちの
そのあまりのご蛮行振りに、
普段は無法者でならしたバイカー・アウトローの連中も、
ビッチで鳴らした行け行けチアガールズも、
黒人も白人もラティノもネイティブ・インディアンも、
世界各国から津々浦々からの留学生一同も、
思わず一目置く、というよりは、辟易して頭を抱える始末。

と言う訳で、人々、思い切りうんざりした顔で、
似たような人種、つまり、日本人をたずねては、
同胞のよしみであいつらにちょっとだけでも、
エチケットをわきまえろ、と言ってもらえないだろうか、と。
挙句には、
ボーイフレンドから、君も僕の前では猫かぶってるうだけで、
本当の所はあんななのかい?と別れ話を切り出されて、
正直言って迷惑至極。
顔を赤くして激昂する韓国人も、
見ざる聴かざるで頭を抱える台湾人、
口をゆがめてこれ以上無い皮肉な顔でねめつける香港人、
うへえ、凄いね、と口笛を吹くフィリピン人、
まあまあ、彼らには彼らの事情があるんだから、と平静を装いながら、
その視線の先にあからさまな侮蔑を宿したタイ人、
と言う訳でさまざまな反応を見せていたアジア人連合、
ではあったが、
いつしかそんなアジア人でさえも一同に白い目で見られ始めた
そんな村八分状態にはめっぽう弱い集団志向村社会育ちの日本人、
ついについに堪忍袋の緒が切れて、
人の失せた教室に一人、そ知らぬ顔で鼻くそをほじる女子学生の眼前につかつかと歩み寄って、
ちょっとあんた、いい加減にしなさいよ、の一言。
なによ、日本人。
迷惑なのよ、あんたらと一緒にされて。こっちのやり方を尊重する気がないなら早く帰れば良いのに。
なにさ、アメリカの奴隷の分際で。貴様こそ恥を知れ、売女め、
と取り付く島もない。

まあしかし、人間、たいていのものには慣れる。
不快だとは言っても、
気に入らない、目障りだ、という以外には、
実害がある、という訳でもなし、
そんなわけで、まあ自由主義のお国柄、
割り切ったほうが勝ち、とばかりに、
鼻くそ食いたければ食えばいい。
糞にまみれた便器が好きならそうすればいい、
好きにさせればいいさ、と。
いつしか、中国人学生専用のトイレと専用の流しと、
専用のテーブルと机と、が出来上がり、
学生から教師から、彼らの存在は一切無視。
質問どころかオナラの音もゲップの音もそ知らぬ顔。
残りの在学中を、まったくの無視、と言うよりは、
ごみ扱い、汚物扱い。

そんな訳で中国人留学生の帰国前の別れの言葉。

資本主義の豚ども。地獄に落ちろ。腐った死肉を食らって暮らせ。

なんか、パンクなんてぜんぜん目じゃねな、こいつら、とちょっと関心。
人間、というよりはまるで、宇宙人。
つまり、うちゅうごくじん、と呼んでやろう、
なんて、下手なしゃれにひとりで笑っていたものだ。

毒入りの点滴、
毒入りキャットフード、
毒入りうなぎに毒入り漬物
火を吹く電池、
のこぎりの刃が宙を舞う芝刈り機、
ダンボール入り肉まん、
あ、それ、間違いでした、の誰の目にも明らかな隠蔽工作
農薬漬け野菜
破綻したダム工事に押し流される村々、
無規制の公害垂れ流し、
生き埋めにされる公害病患者、
サーズ、ではないが、
中国のこのうちゅうごくじんぶりのおかげで、
世界中が大混乱、
というよりは、
大病気になる可能性がぜんぜんしゃれにならなくなって来て、
ますます、
おお、こいつら、パンクなんか目じゃねえな、
とあの時の感動が再びよみがえる、と。

そこのけそこのけ、うちゅうごくじんが通るの21世紀。
いまのうちにどうにかしないと、
大変なことになる、と思ってるのは、俺だけではないはずです。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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