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緑茶パワー

Posted by 高見鈴虫 on 17.2008 旅の言葉
事情からトルコの名も知らない小さな漁村でバスを降りた時、
誰一人として英語を喋らないことにほとほと困りきっていたのだが、
村で唯一のインテリ、イスタンブールから赴任して来ている、
銀行の支店長さんがじきじきにやってきて、
精一杯のよちよち英語でも、
ハウ・メイ・アイ・ヘルプ・ユー~How may I help you の一言を聞いた時、
正直言って嬉しさに涙が滲んだ。
そんな支店長さんのお陰で、
ホテルが見つかりスーパーが見つかりレストランがみつかり、
さっきまでの苦労がまるで魔法のように次々と解決されて、
俺はせめてものお礼にと、
集まった人々に日本の緑茶を振舞ったのだが、
問題はその翌朝、
なんとなく村の雰囲気が違う。
みんなどんよりと赤い目をして、生あくびばかり。
でやってきた支店長さん。
いやあ、昨日の緑茶、あれは凄かったな、
あんまり凄くて一睡もできなかったよ、だそうで。
ほら見ろ、村中の人間、誰もが赤い目をしているじゃないか。
来年の今頃、もう一度来て見ろ、村中がベイビーラッシュで大騒ぎだよ。
もちろん残った緑茶、全て支店長さんにお譲り申し上げた。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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