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「ギジュツケイの条件」

Posted by 高見鈴虫 on 08.2006 技術系   0 comments   0 trackback
根っからの技術系を自認する上司から、

君はいつまでたってもギジュツケイになりきれてないねえ、
とため息をつかれた。

彼に言わせるところ、
ギジュツケイは、
女の子にもててはいけない。
口下手でなくてはいけない
英語が上手くてはいけない
スポーツが好きではいけない
着こなしは清潔だがダサクなくてはいけない
目が悪くなくないようではいけない
声が大きくてはいけない
いつも控えめにいたいと思っているようでなくてはいけない
加えて、
昼飯を外に食べに行くようではいけない
会社の帰りに外に遊びに出たいようではいけない
ましてや休日に外出などしたがってはいけない
一緒に遊びに行く友達が多いようではいけない
そもそも友達など欲しがっているようでいけない
言ってみれば人に好かれるようではまだまだ、
がしかし、
こと技術に関しては絶対に人に負けない、と己を信じきっていなくてはいけない、
と。

つまり、
彼の言わせるところのギジュツケイ、
友達もいず、メガネをかけて、口下手で上がり症で、
運動神経が悪くて性格も暗くて人からも嫌われ、
しかし独善的で、意固地な、技術馬鹿、と。
それが意味するところ、
子供の頃からいじめられっこで、
外に出れずに家で遊んでばかりいた虚弱児童で、
クラスでもいるかいないか判らない一番地味な子、
或いは、自殺寸前まで苛められているか、と。
そうあるべき筈、と。

あのなあ、と、改めて、まじまじと彼の顔を見る、
もちろんギジュツケイの上司は、
視線なんて合わせたりしない。

あんたが俺のクラスに居たら、
秒殺ベースで便器の水で顔洗わせてたぜ、と。

彼もそれを知っている。
そして、彼が、そんな俺にささやかな復讐を企てていることも知っている。

俺の目の黒いうちは、お前には絶対に良い目は見せないよ、
と彼がつぶやいているのが聞こえるようだ。

俺は彼が面接をしなかった唯一の社員であるらしい。
つまり、私が面接をしたら君なんて入れなかった、
と言いたいのだろう。

でもね、
しかしながら、彼の判断はある意味、正解だ。

俺は10年たった今でも、
ギジュツケイの人々を徹底的に侮っているのだから。
お前らナードは、屑というよりは蛆虫だ、という態度を隠そうともしないし。
或いは、俺が一度権力を握れば、
そんな奴らに、やはり便器で顔を洗ってみろ、と共用しただろう。
という訳で、
この会社の奴らで、たとえ誰の葬式に出たとしても
3分経って名前を覚えているやつなど一人もいないだろうな。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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