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知障ブルドッグのジョージの意外な才能

Posted by 高見鈴虫 on 11.2012 犬の事情
なにをやらしても猪突猛進を繰り返すばかりで、
こいつはちょっと足りない、どころか、
完全に知障扱いをしてきたブルドッグのジョージ。

人と見るやイノシシのように突進してきて膝に向けて頭突きを繰り返し、
ボートのオールぐらいはあろうかという枝を引っ張りまわしては
それと共に誰かれなく猛アタックを仕掛けてきては足は傷だらけ靴は泥だらけズボンは穴だらけ。
両足は膝の上まで涎でべろべろ。
ゴミ箱と見るやひっくり返し、ドッグランの犬用のプールの底に穴を開けて大顰蹙。
挙句に交通止めの赤いコーンを頭に被ったまま目くら滅法に走り回ってはフェンスに激突し、
と、やることなすことがまさに支離滅裂の猛烈さ。

こいつ、まったくなあ、と会うたびに辟易を通り越して怒りさえ覚え、
それは犬も一緒なのか、
あまりのしつこさにマジ切れされては噛みつかれ、全身が傷だらけ。

そんな知障ブルドッグのジョージが、
いつのまにかサッカーボールを見つけてきた途端、
いきなり元サッカー天才少年の異名を取った俺が、
驚いて腰を抜かすほどの見事なドリブルでボールを運び始めたと来たもんだ。

元天才ストライカーが、
どんなにがんばっても奴からボールを奪うことができない。
顎の下に抱え込んだボールを右に左にと見事にフェイントをかけながら
公園の端から端までを全力疾走。
思わずこの野郎と伸ばした足を物の見事にかいくぐり、と腹立たしいったらない。

テニスボールを咥えたブッチが、後ろで待っているにも係わらず、
思わずジョージとのサッカーに熱中して小一時間。
結局一点も入れられないどころか、
こぼれたボールを苦し紛れにクリアするのが関の山。

いやはや。

やはりどこかに欠けている奴は、
どこかにとてつもない才能を隠し持っている、
と思い知らされた。

知障ブルドッグのジョージ、うーん、侮れない。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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