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馬鹿な犬の飼い主は大抵馬鹿である、ということのその意味 4

Posted by 高見鈴虫 on 17.2012 犬の事情
最近、通りがかりの人にいきなり吠え掛かるのよ、もう怖くて、
と妻がマジ顔で言った。
なんかね、やっぱりこいつ、レイシストだと思うわ。
大きな黒人の人とかが通りかかると、もう気が触れたように吠え掛かっていって、
ほんと怖くて怖くて。

うーむ、と思わず唸る。

確かに、いかれた酔っ払いやら、らりった糞がきやら、を見かけると、
いきなり足元に走りよって、ワンワンワンワン、と吼え始めたりするのは知っていた。

なんだよ、お前、そんなことしてんのかよ。黒人、嫌いなのか?臭いってか?

そのうち本当に咬んじゃうんじゃないかと思って。散歩の時には気をつけてね。

という訳でブーである。

通行人にいきなり咬みつく、というのは困ったもの、どころか死活問題ではある訳なのだが、
その話を聞いて、思わず密かににんまりとしてしまった。

それってつまり、飼い主の心の反映なのではないのか、と。

その証拠に、散歩の途中、向こうから来たへんな奴、なんだあいつは、らりってるのか?目障りな野郎だ、
とふと思ったその時、ふと隣りを見ると、不機嫌そうに顔を顰めるブッチの視線の先はやはりそのおかしなラリパッパ野郎。

おい、ブー、と一言。
なんだよ、と振り返るブーに、
あの野郎、なんか変な奴だな、気にしねえ方がいいぞ、
と言ってやると、
ああ、と一言、肩を竦めて見せて、
まあな、あんなチンカス、いちいち気に障ってたら身がもたねえからな、とウインクをひとつ。
まったくおかしな街だぜ。
まったくな。気にしねえ方がいい。

という訳で、そう、大抵においてそういう物。そういう物なのだ。

なんてことを言っていたら、
今日の散歩の途中、久しぶりにデローレスさんに出くわして、
いやあ、おひさしぶり、とやりながら、
相変わらず可愛いなあ、と鼻のしたを伸ばしていたら、
ブッチ君、なにを思ったか、いきなり尻からロケット噴射したように、
一目散に走り出すや、
デローレスさんの周りをグルグルぐるぐるぐると目にも止まらぬ速さで走り出し、
ふと、立ち止まってデローレスさんを仰ぎ見るや、
再び壊れたロケットのように猛スピードでスピニングスピニング。
あれまあ、と笑い転げるデローレスさんの前で、
どうだ、僕格好いい?僕格好いい?とばかりに走る走る。
ケラケラと腹を捩って笑うデローレスさん。
やれやれ、と、思わず顔を赤くする俺。

という訳でそう、飼い主と飼い犬、大抵においてそういう物なのです。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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